<テレビウォッチ> きのう(3月11日)開港した茨城空港は、「朝ズバッ」の中継では「閑散」だったが、その後開港のご祝儀で、相当なにぎわいになった。その一部始終を流したあとで、「新シリーズ『天下りをなくそう宣言』第1弾」ときた。これも空港の話だ。
空港赤字でも利益
同省航空局所管の公益法人一覧をみると、20法人で天下り620人、280億円の正味財産(民間の余剰金にあたる)を保有していた。なかで、171億円とダントツが財団法人・空港環境整備協会。「朝ズバッ」はこれに食らいついた。
全国19空港の駐車場を管理運営しているのだが、駐車場は空港整備特別会計で作られ、契約は非公募で協会が独占してきた。職員243人中80人、役員13人中3人が天下り。役員の平均報酬は年間1370万円。
さきに前原国交相は名前をあげて「ゼロベースで見直しを」といった。「空港自体が赤字なのに、関連団体が利益をあげているのはどう考えてもおかしい」とも。
また、会計検査院も2003年、協会が駐車場を無競争で運営しているため、割高な料金で多額の利益をあげていると、改善を指摘していた。料金は一部改善されたが、独占状態はほぼ変わらずのまま。
収支は、駐車場収入78億1000万円のうち、国への土地使用料38億円を払っている。協会は08年度は5億円の赤字としているが、正味財産の171億円からすれば屁でもない。
「寄贈もしてる」のとんちんかん
「朝ズバッ」の取材に、坂場正保理事長は、「利益を環境対策に活用するため」として、周辺住民対策に力をいれていると強調した。住宅や学校の防音工事や健康診断などで国を補完。7億8000万円を支出しているという。
さらに学校などにパソコンやピアノなど8500万円を寄贈していて、理事長は「国の補助なしにこれをやるために、駐車場を運営している」といったが、これは見事に語るに落ちた。話が逆だろう。前原大臣がなんというか、聞いてみたいところだ。
取材した岡安弥生も、「環境と駐車場をからめるものなのか」と疑問を投げていたが、みのもんたは「ゼロにすべき。ゼロどころか、早く民にしないとダメでしょう」と素っ気ない。「なんで民間に開放しないの?」
そこで与良正男が、「前原国交相は空港特会を見直すといっていたのが、最近いわないでしょう。財務省が嫌がっていて、全然進まないのが実態なんですって」という。おいおい菅さんは何やってるんだ?
このキャンペーン、ネタはやまほどあるのは間違いないが、さてどこまで突っ込めるか。