学習院の「学級崩壊」問題 「たわいのないこと」に文春反発

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   学習院といえば「ええとこの子」が通っている学校と思ったのは昔の話。麻生太郎前首相、鳩山由紀夫首相と、二代続けて学習院出身のトップ(鳩山氏は初等科・中等科までで大學は東大)が続いて、この学校にわずかに残っていた威信も地に墜ちたようだ。

国民映す鏡

   しかし、学級崩壊が、皇太子の娘愛子さんの身近で起こり、それが原因で彼女が不登校になっていたという野村一成東宮大夫からの発表(3月5日)は、かなりの衝撃をもって、国民に受け止められたのではないか。

   以前にも書いたが、皇室一家というのは国民を映す鏡である。嫁姑問題、嫁になかなか行かない娘がいたり、兄弟の不仲、嫁が病気になるなど、どこの家でも抱えているトラブルと、皇室といえども無縁ではいられない。そして今度は不登校問題である。

   2月下旬、愛子さんは、37度の熱と嘔吐、腹痛があって侍医に診てもらっているとき、「今日はお休みする」とポツリと話したそうだ。すぐに侍医から皇太子夫妻に伝えられ、「愛子さまは、学校で受けた乱暴を徐々に両陛下に涙ながらに話されたといわれている」(文春)。

   その乱暴とは何か。「昨年、男子児童が靴を履き替えようとする愛子さまの頭を後ろからつかんだことなどがあったそうです」(文春・同級生の母親)。それに近い行為が最近あったというのだ。

   あわてて記者会見した学習院側は「初等科生ですのでたわいのないこと」としたが、こうしたことが、小学校低学年児童にとって「たわいのないこと」だとは思えないと文春は憤る。

   こうした「困ったチャン」の代表格は、小2なのに身長140センチもあるA君だそうで、相手構わず暴力をふるったり、「校内では、『ファック! シット!』などと放送禁止用語を叫びながら、走り回っていた」(文春)というのだ。

   当然ながら、こうした子供のケンカに大人が口を出すことへの批判は多く、「個人間のトラブルは当事者同士で解決すべき。今回の発表はまったく不必要だったと思います」(新潮)と、学習院の東園基政常務理事までがいっている。

   天皇陛下も、宮内庁関係者によれば、「陛下は『(今回の愛子さまのようなトラブルは)よくある話しなんじゃないか』と冷静なご様子で、『浩宮も初等科のとき、あまりの真面目さに女の子に少しバカにされていたことがあった。からかわれても生真面目に応じるので、さらにからかわれたりしたことがあってね』と思い出されていました」(新潮)。

「教員がオドオド」

   今日(3月11日)のasahi.comによれば、「両陛下は東宮大夫から9日に問題の報告を受けた際、雅子さまや愛子さまを気遣ったうえで『事柄が愛子さまと学校、さらには数名の児童ともかかわりをもつことから、いずれかが犠牲になる形で解決がはかられることのないよう、十分に配慮を払うことが必要ではないかと思う』と語ったという」。周囲の大人側の思慮不足を懸念してのことだろう。

   学習院にも、女子学生とスキャンダルを起こした高等科教師やセクハラ騒動を起こした初等科教師のような不心得者がいたが、他の学校に比べて多いわけではない。

   遠因は、愛子さんに常に警護のSPが同行したり、出入りする人間にICチップ身分証明書が義務づけられるなど「特別扱い」への反発が母親たちの間にあり、「教員は親御さんから反発を受けることを恐れてオドオドし、本来やるべきことができなくなる。そういう状況は確かにあります。こうして問題が起きても強く言えないと、子供も先生を甘く見るので、しつけが浸透せずに増長してしまうのです」(新潮・保護者)。

   AREA「愛子さまの不登校 小学校低学年のケアは」にこんなコメントがある。「一般的に女の子は母親の行動や心理状態の影響を受けやすい。親子一緒に診察にきてもらい、情緒豊かな素朴な人間関係を作ってもらうと早く解決します」(精神科医・日向野春総ヒガノクリニック院長)

   雅子さんと愛子さん母子の春が早くくることを願いたいものだ。

   文春の「中野美奈子フジがひた隠す34歳『イケメン医師』の正体」は、思わせぶりなタイトルだが、要は、彼女の結婚相手は、クールで格好いい「憎らしいほど良い評判ばかり」(文春)の整形外科医だというお目出度い話だ。

信じるのはミシュランか自分の舌か

   お薦めは「ミシュラン超有名店元女将がザンゲ告白」(文春)。ミシュラン二つ星に輝いた超有名和食店「K(誌面では実名)」は、コースのみで2万1000円からの金持ちグルメ御用達の店だ。トリュフやフォアグラ、キャビアといった高級洋食材をふんだんに使う独創的な料理は、評論家も絶賛しているそうだ。

   昨2009年10月まで女将を務めていた夫人が現在離婚調停中で、何もかも話す決心をしたようだが、その内情たるや驚くべきものだ。

   「海王」という焼酎が「魔王」に似ているというので詰め替えてしまう。白トリュフは1キログラム百万円以上するから中国産1キログラム1万円程度のものを使って、トリュフオイルでニオイを出す。

   丹波産のマツタケと木箱に入れて客に見せるものはほとんどが中国産で、香りを足すためにマツタケエッセンスを使っているのだ。「水にエッセンスと酒、さらに味の素を溶かしたものを霧吹きに移し、吹きかけるのです」(従業員)。

   ちなみにわが家は、極安の中国産マツタケに永谷園の「松茸の味お吸いもの」をふりかけてマツタケご飯を作るが、これがなかなか美味いのだ。今度は味の素を入れてみるか。

   つい最近も、ミシュラン三つ星の店から食中毒が出たと報じられた。ミシュランだけではないが、こうした客を騙してむやみに高いカネを取る店を推薦した責任は、どうとってくれるのか。店からカネを返してもらうことはできないのかね。

   いい加減な調査を基に星を配りまくる日本版ミシュランなんぞに頼らず、自分のサイフにあった店を、自分の舌を信じて見つけることこそ、美食道の神髄だと、この記事を読んで改めて思う。

   他のお薦め記事は、「メディアに『スペイン語挑戦状』を叩きつけた『沢尻エリカ』の鼻っ柱」(新潮)「住民33%が中国人になった埼玉『チャイナ団地』現地報告」(新潮)「『トヨタを売った男』元顧問弁護士の告白」(現代)。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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