<テレビウォッチ>茨城空港が3月11日オープンした。オープンセレモニーや11時発の台湾行チャーター便もあって朝から賑わったのだが……
「明日から寂しく…」
今のところ、定期便はアシアナ航空による韓国・仁川空港間の1日1往復のみ。『純国際空港』なのだが、免税店は敷地が用意されているもののゼロ。
来4月16日にはスカイマークエアラインによる神戸空港への1日1往復が予定されているというが、さてどうなるか。現地で取材するリポーターは「明日から寂しくなるでしょうね……」。
そこで番組では、大ざっぱな需要予測をもとに空港建設を強行、赤字空港ばかりの日本の航空行政を取り上げた。
空港建設当初の需要予測と空港オープン後の実績がいかに乖離しているか。リポーターの長谷川豊が説明した。長谷川によると、97ある空港のうち予測数値を満たしているのは僅か8空港だけ。残る89の空港は大幅に予測を下回っている。
例えば北海道・紋別空港。2005年度に37万1000人を予測していたが、08年度の実績は4万8000人と12.9%でしかない。萩・石見空港は51万3000の需要予測をたてて作ったが、08年度実績は6万9000人、13.5%だった。
ギャップのひどさに、需要予測は建設のためのでっち上げだったのではと言いたくなる。
「予測が甘い」
その石見空港では苦肉の策として、滑走路を利用しお祭りやマラソン大会を催しているという。朝9時50分に羽田から到着する便のあと夕方17時30分伊丹へ向け飛び立つ便まで、8時間もガラ空き状態の滑走路を利用しようというわけだ。
スタジオでは「カート場かローラースケート場にも利用できるのでは……」との声も。
これでは赤字も当然で、空港の1年間営業損益を見ると22の空港で赤字。福岡が67億円、那覇54億円、羽田ですら20億円の赤字を計上しているという。
そんななかで、3月11日の朝日新聞朝刊1面には空港の駐車場や保安業務を担う20の公益法人が290億円蓄財していた記事が。
小倉キャスターが「日本の航空行政おかしいんじゃない」。
ノンフィクション作家の岩上安見も「基本的におかしい。需要予測は、厚労省の人口予測も甘いし、GDP予測も甘い。3段ロケットをふかしているようなもの。原因は、一般会計とは別枠の特別会計で作っているから」と手厳しい意見を。
あとは民主党の事業仕分けに期待するしかないのか。