「多くの不安かかえ…」
現地には奥平邦彦がいた。「98番目の茨城空港です……」とターミナルビルの見学デッキからだったが、人っ子一人いない。「閑散としてるね」とみの。見渡す空港には滑走路が2本。遠くの1本は自衛隊百里基地のものだ。ここにも人影なし。機影もなし。
ビルの中では開港式が始まろうとしていた。橋本昌・茨城県知事らがテープの前に並んでいるが、一般の人より関係者と報道陣の方が多い。奥平も「多くの不安をかかえた開港です」という。
百里基地との共用ということで、建設費は220億円と安かったのだが、いってみれば成田のすぐお隣だ。「首都圏第3の」といっても、地上のアクセスでは茨城は茨城だ。
当初、札幌、大阪、福岡、那覇への就航を想定していたが、決まったのはアシアナ航空のソウル便とスカイマークの神戸便(4月16日から)と数か月後に釜山へ週3便程度というだけ。81万人の需要予測も、実際は20万人前後とされる。が、ターミナルビルは2000万円の赤字の見込みだという。
「シーンとしてるね」
で、いよいよ時間となった。カメラが切り替わったが、テープの前でみなじっと立ったまま。「やけに静かだね」とみの。「始まるところです」というのだが、間が持てずにみのは「レストランも少ないの?」なんてきいているうちに、カットとなった。
が、また静寂。「シーンとしてるね」。フラッシュがたかれ、ブラスバンドが鳴ってようやくテープが切られた。しかし、カットした人たちの表情は硬いままだ。スタジオでは嶌信彦だけが笑っている。やれやれ。見てるだけで疲れた。
スタジオであらためて98の空港が入った日本地図が示された。パス停じゃあるまいし、といいたくなる図だ。
みのが「1割に満たないらしいですね、完全利用されてるのは。韓流ブームで来日する韓国のスターには、茨城を利用してもらうとか……つくちゃったら、壊すわけにいかないんだから」