<テレビウォッチ>きのう(3月9日)番組は、3月11日オープンする茨城空港の年間利用客が81万人と見込まれているが、これは多過ぎると指摘した。番組後、鳥越俊太郎が「98空港全部の需要予測と実態を調べたら?」と提案したという。と、その数時間後、前原誠司国交相が符節を合わせるかのように、全国の空港の需要予測と2008年の利用実績を公表した。
森永「空港つくることが間違い」
冒頭にこの話題をとり上げる。高村智庸リポーターは「手前みその話」と言い、赤江珠緒は「前原さんが番組をご覧になっていたのかも」と喜ぶ。
で、肝心の「需要予測と実績」はというと、予測を上回っているのは羽田、名古屋、旭川、那覇、岡山、庄内、長崎、熊本の8空港。20%に達しない10数か所をはじめ、ほとんどの空港が下回っており、「驚きました」(高村)。
番組によれば「空港建設のかなり前に予測する。どの路線に飛ぶかわからない」などの事情があるにせよ、役所の「指導」のもと、「ゲタにゲタを履かせて」(福島空港の需要予測に関わった人物)数字を出すらしい。
鉄道、道路の需要予測に携わったという森永卓郎も「役所から需要を出せと言われて、素直に出して受け入れられたことがない。つくることが最初から決まっていて、その裏づけになる数字をつくれというのが実際の発注だ。需要予測を間違えたのではない。空港をつくることが間違い」と語り、「佐賀空港をつくるときに猛反対したら、県の方から『九州で空港がないのはうちの県だけ』と、わけのわからないことを言われた」と実態を明かす。
小木逸平が「つくっちゃって負担になっても誰も責任をとらないのは納得がいかない」と口にすると、鳥越が「地元の要望をバックに、政治家、役人が暗躍してきた。建設ありきが先だった」と述べる。森永が「共犯といえば共犯」と正直に吐露していた。