親からも行政からも「放棄」 餓死する子どもが出る日本

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<テレビウォッチ>子どもの虐待死が相次いでいる。「声なき声をどう救えばいいのでしょうか」(中野美奈子アナ)と番組が、5歳の男児を餓死させた奈良県桜井市の事件を取り上げた。

十分な食事与えず

   奈良県警は3月3日、会社員(35)と妻(26)を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕した。調べに対しこの母親は「1月から2か月間、十分な食事を与えてこなかった」と供述。その理由を「3年前から折り合いの悪い夫の顔に(長男が)似ていて憎らしく、十分な食事を与えなかった」という。一方、父親である夫は「虐待を知っていたが、何もしなかった」と供述しているという。

   事件が発覚したきっかけは、県中央子ども家庭相談センターへ母親本人から掛かってきた電話。「子どもがやせてぐったりしている」というものだった。市福祉保健部の担当者が自宅アパートに駆け付け、布団に寝かされた長男を見て絶句した。顔面蒼白で死人に近いような状態。骨と皮だけだったという。

   この2か月間わずかな食事と水しか与えていなかったようで、体重は6.2kg、5歳男児平均(18~20kg)の3分の1しかなかった。死因は餓死による急性心不全だった。

   なぜ、行政など周囲は餓死するまで情報をキャッチできなかったのか。同じアパートの住人は「泣き声はよく聞こえた。ちょっと異常かなと……」という程度だったようだ。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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