<テレビウォッチ> 奈良と埼玉で、子どもに食べ物を与えず餓死させたとして両親が保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕された。親が実の子を殺す――よくよく事情があってのことかというと、そうでもない。これ以外にも虐待はあちこちである。なにかがおかしい。
児童虐待
奈良・桜井市で逮捕された母親(26)は、「長女(3つ)が生まれて、長男(5つ)がかわいくなくなった。夫婦仲が悪く、顔が父親に似ていて、むかついた」といっているという。
2か月間満足な食事を与えず、長男は死んだとき、やせ細って骨と皮。身長85センチ、体重は6.2キロ(平均の3分の1)しかなかった。父親(35)は見て見ぬふりをしていたという。司法解剖の結果、死因は栄養失調だった。
また頭などに複数のアザがあった。虐待が日常的だったことは、近所の住民も「ギャーという声がひっきりなしに聞こえた」と証言する。
埼玉・蕨市のケースは2年前のこと。父親(47)と母親(37)は当時4歳だった次男に食事を与えず死なせていた。死亡時体重は10キロ(平均の6割)だったという。
この夫婦は2003年頃から長男連れで公園で路上生活をしていた。04年に長男は児童相談所の施設に、生まれたばかりだった次男は乳児院に保護された。2年後、市内のアパートで一家で生活を始めたが、虐待は当時からあったという。
ここでも近所は見ていた。「ドーンとかべにたたきつける音がした」「だんだん声が小さくなって、助けてやらないと、と思っていた」
きのう(3月4日)両親は逮捕されたが、父親は「長男にくらべれば食事はすくなかったかも」。母親は「そういうことはやっていない」といってるそうだ。
児童相談所は、「子どもに会わせてもらえなかった」といっていた。はたしてそうか。近所はなにをしていたのか。
「全国的に増えている」
東洋大の高橋重宏教授は、「どんどん児童相談所に通報してくれればよかった」という。
みのもんた「なんでこういうことが? また全国的に増えている」
高橋「未熟というか親になりきってない。むかしなら近所がみていたが、地縁血縁がなくなって、孤立して生きているから、事件になって初めてわかる」
いまは、法改正でカギを壊してでも立ち入ることはできる。専門家がみて、安全なところへ隔離する権限も与えられている。蕨のケースはそれをしなかったことになる。
教授によると、児童福祉士は2400人。カナダのオンタリオは、人口1200万人に4000人いると。「いかに子どもにカネをかけているかがわかる」
北川正恭が、「民主党のいうコンクリートから人へですよ。日本は遅れている。知事時代も苦労しました。地域のヨコ社会をもう1回つくっていかないと」
児童福祉法では、虐待の疑いは「市区町村や児童相談所に通告しなければならない」となっている。