「巻くだけ」は口先だけ??
同じ文春で、約半年で160万部を突破したという『バンド一本でやせる! 巻くだけダイエット』(幻冬舎)を取りあげている。
カイロプラクターの山本千尋氏が主催するセミナーは、若い女性はもちろんメタボ男性まで押しかける社会現象になっているのだそうだ。
この本の付録についている「ゴムバンド(骨格矯正バンド。幅12㎝、長さ1・5m)を骨盤や関節のまわりに巻くだけで、体型の崩れが解消され、新陳代謝を上げて脂肪の燃焼を促す効果があるという。
そこで、カイロプラクティック療法振興事業協同組合の新渡英夫代表理事に聞いてみると、「はっきり言って骨盤にバンドを巻いたからといってダイエットになるということはありません」とにべもない。
奈良県の整体師も、「骨盤が相当歪んでいる人がバンドを使用すると、歪んだまま固定する恐れがあります。(中略)骨盤は毎日自然に開いたり閉じたりするものなので、バンドを巻くことはあまり賛成できませんね」。しかし「バンドを使ってストレッチをすれば、より効果的なダイエットが期待できます」(山本氏)というのだから、巻いただけで、大メシを食らい昼寝していて痩せることはないようだ。
朝日で、ジャーナリスト上杉隆氏が、知の巨人・立花隆氏にケンカを売っている。発端は、2月12日号で、石川知裕衆院議員の女性秘書が検察に呼ばれ、長時間の恫喝に近い取り調べを受けたと書いたことに、立花氏が、「検察憎しの立場に立つ一部マスコミにバカバカしい批判(中略)を許してしまうことになる」(『G2』ウェブ版)と書いたことへの反論だ。
立花氏は「検察神話」を捨てきれないため、結果として、検察側の「大本営発表」に付き合ってしまっていると断じ、「知の巨人」と呼ばれる立花氏の評論迷走の原因は、端的にいえば取材不足の一言に尽きるだろうとしている。
最後にこのような言葉を立花氏に贈っている。「<『評論家』立花隆は死んだ いま『20歳の若者』から見れば 立花隆など過去の遺物に過ぎない>」
こうした論争は、週刊誌全体を勢いづける効果があるはずだ。現代を中心に、小沢幹事長批判を続ける立花氏と、検察批判を朝日を舞台に繰り広げる上杉氏の論争の行方はどうなるのか。次回の現代で、立花氏はこの売られたケンカを買うのか。実に興味津々である。