<テレビウォッチ>「選手たちは、すでに次に向かっているようですが、課題はメンタル面の強化だそうです」(キャスターの小倉智昭)と、取り上げたのは『メンタル力』。
48人中5人
提起したのは、バンクーバー五輪の橋本聖子日本選手団長の次のひと言。
「日ごろからいろいろなことを想定してメンタルトレーニングをしていた日本選手団は、プラスに持っていくことができたのではないか……」
今回の「成果」を見ると、種目によっては本来のトレーニングでやるべきことがもっとあったのではないかと思うのだが、スタジオの結論は……
そもそも『メンタル力』とは何か? 「本番で力を発揮できる精神力」というのだが、その精神力を養うメンタルトレーニングとなると分かりにくい。
具体的な例としては、整氷機の故障で長い中断があったスピードスケート男子500m。
からだが冷え切ったにもかかわらず、長島圭一郎と加藤条治両選手が見事に銀と銅メダルを獲得した。
この2人が所属する日本電産サンキョーは6年前からメンタルトレーナーと専属契約を結んで精神面の強化も図っていたという。
それも世界のトップレベルの実力があったからこそ。そのうえで、「自分のいつもの力をいつも通り発揮できるのがメンタル力」(取材した田中大貴アナ)だという。
小倉が「メンタルトレーニングが必要というのは2、30年前からいわれていた。初期のころは1着でゴールするイメージをもて、表彰台の1番上に乗っている映像を思い浮かべろとか、そういうトレーニングだった。そうしたら他の外国選手も皆、1番上に乗っている姿を描いていたという笑い話があるくらい、難しいものなんですよ」
で、番組が実際メンタルトレーニングを受けていたかどうかについて、バンクーバーに出場した選手に聞くと、回答のあった48人のうちわずか5人だけだった。
理由は費用が高いこと。スポーツ選手の場合、ハイテクニカルなので1時間5万円もするという。
小倉が「1時間に5万円もかけるのは大変だよね~」と、好きなゴルフに例えこんなことを……
「ゴルフ場で目の前に池がある。池に入りそうだなと思うと入っちゃう。で、これは池を越えるんだと思うとまた入っちゃう。そこに池はないんだと思っても入っちゃう。結局、練習をきちっとやるのが1番いい」
やはり本来の練習で実力を養うのが基本。メンタル力はそのあと……