就活生・自己啓発好きに警鐘 文春の注目記事とは

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トヨタ叩き急先鋒の「素顔」

   トヨタ自動車も厳しい批判にさらされている。豊田章男社長が、米議会下院の監督・政府改革委員会の公聴会に呼ばれて証言したが、熱病のような、アメリカのメディアを中心とするトヨタ批判は、収まるのだろうか。

   新潮は、トヨタ叩きの急先鋒ダレル・アイサ共和党筆頭理事(56)に「車泥棒で逮捕」の前歴があると報じている。

   アイサ氏の父親はレバノン移民で、GMのトラックのセールスマンだったという。彼は予備役将校訓練過程を奨学金を得て受講し、軍隊に入隊しているが、この御仁、逮捕歴があり、それもほとんどが自動車がらみなのだ。ピッツバーグ近郊の陸軍駐屯地からダッジを、オハイオ州ではマセラッティを盗んでいるが、どちらも起訴されていない。1979年にも自動車窃盗事件を起こし、このときは逮捕されたが、裁判が途中で中止になってしまった。

   その後、アイサ氏はビジネスを始めるのだが、それが何と、自動車盗難警報装置ビジネスなのだ。それで成功し、下院選に出馬して当選、現在5期目である。今2010年の11月に中間選挙が行われるため、アイサ氏は、アメリカ人の安全を守るために闘う正義のヒーローとして自分を売ろうという魂胆があるのではないかと推測している。

   こうした思惑を秘めた狸議員たちに、一見ひ弱そうに見える豊田社長は、立ち向かえるのだろうか。

   文春に注目記事。「衝撃の新発見! 科学実験データが暴いた『自己啓発』『婚活』『就活』のタブー」がそれだ。英国の心理学者リチャード・ワイズマン氏は、タイガー・ウッズのような夫に、妻との関係を修復するためには、「ラブレターを書くこと」「目立つところに写真を置くこと」「初デートのときまで時計の針を戻すこと」だとしている。

   また、ストレス解消にカラオケを歌ったりサンドバッグを叩くことは、むしろストレスを増大させてしまう。マイアミ大学の実験では、怒りを鎮めるには、不愉快な体験から得たプラスの側面について数分考えて、書き出してみる。愉快な映画を見る。難しいクロスワードパズルに挑戦する。子犬と遊ぶなどがもってこいだという。

   就活では、「採用される決め手は、適性でも経験でもなく、応募者の『好感度』という04年度の調査結果だ。応募者が笑顔で、面接官と目を合わせて会社をほめ、面接を盛り上げると、面接官は無意識のうちに採用してしまうのだ」という。

   自己啓発を実践している人は、何もしない人より幸福度が低いというデータも、ワイズマン氏は紹介している。「カツマー」になろうとして挫折し、ウツ病になってしまう人が多くいると、精神科医の香山リカさんもいっている。長生きしたかったら、何もしないで子犬と遊ぶにかぎるか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。


【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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