<テレビウォッチ>オリンピック、きょう(2月24日)の注目はむろん女子フィギュアだが、それは「朝ズバッ」が終わってからだ。番組の最中の焦点はノルディック複合だった。
チェコでの逆転勝利
解説は荻原健司。準備は完璧だったが……。
前半のジャンプで、日本は高橋大斗が40人中2位につけるなど好調だったが、チームとしては4位だった。荻原は、「十分いける位置だ」と期待をかけていた。昨2009年2月チェコでの世界選手権で、前半の5位から距離で追い上げ優勝していたからだ。
荻原の時代、日本はジャンプで圧倒的に強かった。その時間差を保って逃げ切るというパターンで連戦連勝を続けた。ためにルールが改正されて、ジャンプの利を小さく、後半の距離に強い欧州勢に有利なものになった。
以来日本は勝てなくなった。同時にジャンプでも必ずしも上位がとれなくなっていた。だから、チェコでの結果は画期的なことだった。荻原も「いまのチームは最強」と太鼓判を押した。
番組はその秘密のひとつ「ワックス」を追った。高橋選手の出身地、北秋田市の小メーカー「ガリウム社」の製品だ。チェコでは「スキーがよく滑った」。勝負の40%はワックスだともいう。今回も雪質、温度、気温にあわせて19種類を用意したと。
トップとの差広がる
そして、番組の途中、国会方面の話の区切りにレースの結果が入ってきた。みのもんたが、「日本チームは6位入賞でした」。スタート時に41秒だったトップとの差が、1分14秒に広がっていた。これはがっくり。
リアルタイムのなんと厳しいことよ。荻原の太鼓判もワックスの秘密もみんな吹っ飛んだ。荻原も「残念ですね。前半で上位にいてほしかった」「選手はよくやった」というのがやっと。
スタジオにはリレハンメルで日の丸を振りながらゴールする荻原の写真があった。あらためて、あれがいかにすごいことだったかと思う。
しかし、荻原を継ぐ世代が途切れているのは、きのうのジャンプ陣と同じだ。これも経済のせいか? しかし、同じ状況を他国は克服している。ここはひとつ、スキー連盟のトップの仕分けが必要なのでは?