<テレビウォッチ>潮先が変わったのか、7月の参院選の前哨戦と位置づけられた2月21日の長崎県知事選は野党に軍配が上がった。
原口総務相も「手ごたえ」
自民・公明が支援した元副知事の中村法道(59)が、与党3党推薦の元農水省官僚、橋本剛(40)を破り初当選した。その差は、約9万票の大差だった。
番組が選挙戦さなかの模様とは違う、予想外の結果をVTRで浮き彫りに……
投票日直前の街頭演説会。与党の推す橋本候補の演説にはかなりの人が集まった。応援に来た原口総務相も「上り調子、しっかりとした手ごたえを持っている」と強気の発言を。
一方、野党が推す中村候補の演説では人がまったく集まらず、通行人も足を止める様子がない。これには本人も沈痛な表情で「(勝敗の行方は)まったく分からない」と。
昨2009年の衆院選では、長崎県は4選挙区で民主党が完勝しており、街頭演説を見る限り、民主党にまだまだ追い風が吹いている気配なのだが。
「説得力欠いたのでは」
取り上げたリポーターの長谷川豊が「それなのに何故?」と……
政治ジャーナリストの角谷浩一は「中央と県政は別だが、『政治とカネ』の問題の影響はあっただろう。1年生議員がほとんど中央で関与できない中で政治とカネの説明ができない。説得力を欠いたのではないか」という。
『政治とカネ』の問題に限らず、公約に関するブレも目立ち、今や内閣支持率は4割を下回った(朝日新聞の世論調査では37%)。
「参院は(過半数は)やらないよ」。今回の知事選がそんな有権者の声を反映した結果だとしたら、民主党が目指す単独過半数は難しくなりそうだ。