「自分と相通ずる…」
取材で会ったと言う木場弘子は「苦労したことを笑い飛ばす明るさを見習わなきゃいけないと感銘を受けた。私のような者を緊張させないような温かさ、人間の幅を感じさせてくれた」と懐かしむ。
大谷昭宏は、藤田が戦争で兄を失くしたこと、バブルが弾けて苦労したことなどが役柄に生きていたとし、「この世代の日本人、家族が経験したことが藤田さんの中に凝縮されていた。皆さんが自分と相通ずるところがあると感じる役者だった」と語る。
「てなもんや三度笠」-あんかけの時次郎、「京都殺人案内」-音川音次郎、「はぐれ刑事純情派」-安浦吉之助、「剣客商売」-秋山小兵衛と、シリーズ化された作品に多く主演した。が、中村主水の右に出るものはないだろう。藤田以外の役者はイメージできない。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト