<テレビウォッチ>身長や腕力に関係なく技の斬新さや精度が重視されるスノーボードハーフパイプは、日本人にあった競技ではなかろうか。
難病の友人の涙
たぐいまれな運動神経に支えられ繰り出す精度の高い大技に関しては日本でのパイオニア的存在だった国母和宏と青野令が、いずれも着地に失敗しメダルを逸した。
降って湧いたような『服装騒動』で、名誉挽回をと力んだのかも……。番組はそんな国母を庇って、国母の素顔を示すあるエピソードを追った。
「本人は納得していないと思う。もっとできたはず……」。涙を流しながらこう語るのは10数年来のスノーボード仲間で国母より9歳年上の親友。
実は、この親友は2年前に100万人に1人という難病を患った。このままでは余命数か月と医師に言われた中で、治療のための募金やドナー提供を呼び掛けたのが国母だった。500万円ほどの募金が集まり、現在は手術をして病気を克服できたという。
言葉より滑りで
また別の親友は国母を「引っ込み思案で口ベタ。言葉で話すより滑りで分からせる」タイプという。
そんな国母が惜敗し、悔しさをにじませながら「ソチに出る」と、4年後の挑戦を言葉に出した。ところが、家族には服装騒動の余韻が残っているのか、父親は「オリンピックに出る資格はない」と一蹴した。
スタジオで小倉が「自衛隊にお勤めのお父さんですから当然厳しいと思います。ただ、予選と同じ演技をしていたら銅メダルは取れていたんですよ。こういうことがあったからオリンピックに出ちゃいけないなんて言えない。もっと応援してあげていいのでは……」と。