変質者の演技が1番すごい 少女の死と再生の物語(ラブリーボーン)

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(C)2009 DW STUDIOS L.L.C. All Rights Reserved.
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ラブリーボーン>スピルバーグにピーター・ジャクソンという、ハリウッドきっての大物がタッグを組み、製作に名を連ねた。原作はアリス・シーボルトによる同名タイトルのベストセラー小説。製作者のビッグネームだけを見れば娯楽作だと思い兼ねないが、その中身はなかなかにシリアスなものである。

異世界から現世を

   家族と幸せに暮らし、写真を撮ることが大好きだった主人公のスージー。だがある日、近所の男によって殺されてしまう。まだ14歳だった。家族はその事実を受け入れることが出来ずにいたが、やがて現世と天国の間にある異世界に辿り着いたスージーは、その場所から現世の家族を見守り、聞こえるはずもない声を家族に向けて送り続けていた。だがしかし残された家族に次第に危機が迫っていく。

   スージーが異世界から現世を見ていたように、映画はスージーの視点で描かれているように見える。その視線の先には、常に家族を思う温かい気持ちが表れている。そしてスージーは悲観的になってしまった家族に対して必死に語りかける。「わたしはここにいるよ」と。

   しかしそれに対して虚しくも謎の行動をする母。ある日突然家を飛び出し、果樹園で働き出す。1日も早く辛い出来事から解放されたいという気持ちは分かるが、必死で犯人を探す夫と、スージーと同じ目に合うかも知れない子供2人を置いて出ていくとは……。それじゃスージーの必死な語りかけも無駄になってしまうじゃないか。どこにこんな母親がいようか。いまいち肝となる家族の絆が見えない上に、ドラマ要素が薄っぺらなのが残念だ。


日本ジャーナリスト専門学校プロフィール

日本ジャーナリスト専門学校
通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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