<テレビウォッチ>トヨタがきのう(2月9日)、新型プリウスなど4車種のリコールを国交省に届け出た。対象は日本国内で22万3000台、世界で43万7000台という。どういうことなのか。
新プログラムを
豊田章男社長はそのあとの会見で、自ら運転してみた感触を、「滑りやすい路面で、『抜ける』という表現がいちばんすっきりします。ほんの一瞬です。抜けてから止まります」といい、もし発生した場合は、「(強く)踏み込んでいただければ止まる」と説明した。
凍結した路面や雪道で、ブレーキをかけてもタイヤがロックしないようにするABSシステムが、通常ブレーキに切り替わるまでを0.06秒長くプログラムされていたのだという。そのために一種の「空走感」があって、タクシーの運転手などは、「抜ける。ちょっと怖い」と訴えていたという。
タクシー会社によっては、該当車種の運行をやめたり、また運転手もそれなりの対応をして運転しているというが、「客の3人に2人は、『で大丈夫?』と聞く」という。
で、リコールでどんな対応をするのか。なにか部品を交換でもするのかと思ったら、そうではないらしい。ディーラーの説明では、液晶画面のついた弁当箱くらいのコントローラーをブレーキ・システムに接続して、新しいプログラムを「送信」する。それ自体は数分ですむのだという。
「え? 送信?」とびっくりしたのだが、実際は、走行テストなどもするので1台につき3、40分。このディーラーには「弁当箱」がひとつしかないので、 1日に15台が限度なのだと。
奢り?チャンス?
これについて前原国交相は、「日本だけでなく、世界の企業なのだから、しっかりと説明責任を果たしてほしい」と語ったが、みのもんたは早速、「民主党の議員も説明責任を果たして」などと脱線。
トヨタははじめ「感覚の問題」といって、批判を招いたのだったが、みのは「それも一理あるんですよ。ブレーキを踏むタイミングは人によって違いますから」などとペラペラ。「部品を取り替えるというのとは違うらしい」
杉尾秀哉が、「かつてハルバースタムが『覇者の奢り』で書いたような奢りがトヨタにも生まれていたのかもしれない。しかし、ピンチをチャンスにする機会でもある」
しかし、スタジオでは「送信」に関心をもった人はいなかった。ブレーキもいまやデジタルの世界なのだ。もし、近くに強烈な電磁波や磁場があったら?その方がよっぽど怖い?