就職難高校生を見捨てるのか 「交差点型社会」への転換

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キーワードは連携

   こうした状況下で、地域ぐるみで求人・求職を模索する山形の試みが紹介された。山形の西置賜地区では、5つの工業高校と地域の基幹製造業が、授業に技術者を派遣するなど、長年密接に提携して、人材を確保。例年12月には内定率90%を誇っていた。

   ところが今年ばかりは85%を割った。売り上げが4割減という製造業の打撃の結果だった。そこで、地区の経営者の集まりである「産業会」は、食品、銀行、農業、販売、加工など他の産業にも連携を呼びかけた。銀行は企業に経営改善策を提案する中で、高卒の採用を促す。結果、介護の分野で工業高校のアイデアを生かしたベッドができるなど、これまで採らなかった高卒を採用する会社が現れた。

   「キーワードは連携だ」と、宮本教授はいう。しかし、地域の力には自ずと限界がある。森本は「このままだと大変なことになる」

   教授は、「政府の職業訓練システム(月10万円の生活給を支給)に高校生を加えるなど、対策を急ぐ必要がある」といったが、政府も国会もあの状態だ。5 万人の高校生の未来を視野に入れている人間がどれだけいるか……。

ヤンヤン

   *NHKクローズアップ現代(2010年2月8日放送)

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