固めの杯交わさなかった キリンとサントリー「次の恋」

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   <テレビウォッチ>キリンとサントリーの間で進められていた経営統合話が破談した。経済ジャーナリストの松崎隆司は、結婚に例えて、熱愛中、婚約以前の段階で新聞にスクープされたが、両家に微妙なものの考え方の違いがあってゴールできなかった、と指摘する。

交換比率で不一致

   番組コメンテーターの若一光司(作家)は、「少子高齢化、アルコール離れで国内の業績が伸びないだろう、という前提で、海外、特に中国市場に打って出なきゃいけない、そのためにはもっと体力がいる」というのが、統合話の背景にあったと説く。

   破談の理由は、「統合比率」(佐治信忠サントリー社長)だったらしい。統合する場合のお互いの株の交換比率について、キリン1対サントリー0.6ほどにしたいキリン側に対し、サントリー側はほぼ同等を主張したといわれる。

   スタジオゲストの荻原博子(経済ジャーナリスト)は「勝ち組同士の統合だから1対1が当たり前だろう、というのがサントリーの考え方。1対0.6だと重要なことを決めるときの発言権がなくなってしまう。サントリーにしてみれば、何でキリンの下につかなければならないんだ、という思いもある。結婚だと愛情でなんとか乗り切れるけど……」と話す。

戦国時代に

   さらに、「統合して世界5位の飲料カンパニーになっていれば、国内的には天下統一みたいになって、落ち着くという感じかもしれないけれど、また戦国時代に逆戻りして価格破壊、競争が激しくなる」と予測する。荻原によれば、きのう(2月8日)の同業他社、アサヒ、サッポロなどの株価は軒並み下がっているという。

   若一は「統合していれば、同じようにマーケットの国内縮小に直面する他の業界の海外進出にとってもモデルケースになり得た」と語る。

   「ビッグカップル」の誕生はならなかったが、これからも婚約相手を探しつづけることになるのだろう。

文   アレマ
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