<テレビウォッチ>キリンとサントリーの間で進められていた経営統合話が破談した。経済ジャーナリストの松崎隆司は、結婚に例えて、熱愛中、婚約以前の段階で新聞にスクープされたが、両家に微妙なものの考え方の違いがあってゴールできなかった、と指摘する。
交換比率で不一致
番組コメンテーターの若一光司(作家)は、「少子高齢化、アルコール離れで国内の業績が伸びないだろう、という前提で、海外、特に中国市場に打って出なきゃいけない、そのためにはもっと体力がいる」というのが、統合話の背景にあったと説く。
破談の理由は、「統合比率」(佐治信忠サントリー社長)だったらしい。統合する場合のお互いの株の交換比率について、キリン1対サントリー0.6ほどにしたいキリン側に対し、サントリー側はほぼ同等を主張したといわれる。
スタジオゲストの荻原博子(経済ジャーナリスト)は「勝ち組同士の統合だから1対1が当たり前だろう、というのがサントリーの考え方。1対0.6だと重要なことを決めるときの発言権がなくなってしまう。サントリーにしてみれば、何でキリンの下につかなければならないんだ、という思いもある。結婚だと愛情でなんとか乗り切れるけど……」と話す。
文
アレマ