<テレビウォッチ> 今回は「プロフェッショナル 仕事の流儀」が再放送のため、爆笑問題のニッポンの教養をお伝えする。今回、爆笑問題が訪れたのは宇宙構造工学の研究者・三浦公亮。
「ミウラ折り」の宇宙運搬術
重力の無い宇宙空間での構造物を専門に扱う。例えば人工衛星。テレビでよく目にする人工衛星だが、あのように大きいものをどうやって宇宙に運ぶのだろうか。宇宙で活躍する構造物の中には、100メートルクラスの大きさのものもある。ロケットの貨物室の直径は、せいぜい5メートル。大きなものをコンパクトにまとめる必要がある。そこで三浦が考えだしたのが、通称「ミウラ折り」。
1枚の大きな紙状のものに、菱形の折り目を付けて行く。すると大きな紙切れだったものが、コンパクトにまとまる。しかも、紙の端と端をもつだけで力をかけずに広がり、同様に縮めることもできる。この仕組みを、宇宙構造物に応用し、コンパクトにまとめる。
この発見は、三浦がNASAでロケットの破壊をしていたときにひらめいた。筒状のものを均等に力を入れて上から押しつぶすと、ダイア状の模様をつけながら押しつぶれる。このダイア状のパターンがついた筒は、衝撃にも強い。
三浦「数学は直感なんですよ、大体。論理ばっかりでいったら行き着くところが無い。だけど、論理のちょっと先に『こうなったら答えが美しいな、見事に説明できるな』って思うじゃないですか」
「もっとすごいことに」
太田「そっちの発見の方がすごくて、それでもたらされた結果って、単に宇宙にモノが運びやすくなりましたっていう。もっと凄いことがこの発見によってまだ見つかっていない事が」
田中「もっとすごいことに発展する可能性はありますよね」
太田「その、発想がポンと飛ぶ感じ。宇宙が誕生したのも、次元がポンっポンっポンっと変わって誕生したわけじゃない。次元の飛び越えがこの世の中を作ったとすれば、その謎の根本が、こういう事の、次元と次元をつなげるっていうことが、全体の宇宙の謎を解くヒントになるような気がするんだよね」
ロケットの破壊から菱形が自然に誕生する。服のしわからも、何らかの規則的なパターンを見つけたりもする。この菱形状の折り方から、新しい大きな発想が生まれるかもしれない。
慶応大学・がくちゃん