「壮絶人生」ヒロイン・ハッカー その謎が解けたとき… (ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女)

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(C)Yellow Bird Millennium Rights AB, Nordisk Film, Sveriges Television AB, Film I Vast 2009
(C)Yellow Bird Millennium Rights AB, Nordisk Film, Sveriges Television AB, Film I Vast 2009

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女>雑誌「ミレニアム」の発行責任者のミカエル(マイケル・ニクベスト)は、大物実業家のバンネルストロムの違法行為をかぎつけるも名誉毀損の容疑で有罪、雑誌を離れる。

40年前の失踪

   しかし執行猶予の間のクリスマスの日にバンケルグループの元会長、ヘンリック(スベン・バーティル・タウベ)に「バンネルストロムの秘密を知っている」といわれ孤島の屋敷に呼び出される。待っていたヘンリックは自分の兄の孫娘が40年前に孤島から失踪したことをミカエルに告げ、そのさらった犯人を突き止めた場合の報酬として仇の情報を教えると条件をつけた。失踪した少女、ハリエットはミカエルが幼少の頃に出会っており、いわば彼にとって彼女は昔一緒に遊んでくれた懐かしい存在でもあったのだ。

   消えたハリエットの足跡をミカエルが探し、その過程で天才ハッカーのリスベット(ノオミ・ラパス)が協力し、2人で謎解きに挑むサスペンス。このリスベットこそがサブタイトルのドラゴン・タトゥーの女であり、生い立ちが壮絶すぎて過剰な行動に出るヒロインだ。彼女が刺青や鼻ピアスをいれているのは、幼少に受けたであろう何かしらの暴力が影響していると窺える。そんな傷だらけのリスベットに向けるミカエルの暖かさが彼女の凍った心を溶かし、謎解きは男女の触れ合うドラマに進展していく。

爽快さと共感

   ミカエルはリスベットに「君はハッカーで僕のことをすべて知っていた。なのに僕は君のことをなにも知らない」と語る。謎の多いリスベット、そして解けていくにつれて危険が増す捜査、孤島を舞台にした探偵劇は加速していく。レイプや家族による暴行など過激な描写や設定が生々しくもあるが、むしろすべては弱者を救うための物語であり、謎が解けたときの爽快さと共感の喜びは実に大きい。

   戦うヒロインとしてのリスベットの黒づくめのファッションやバイクを乗り回すなどのアクションがよくキマっている。ただ鼻ピアスは正解か微妙だ。もしもそのためだけに女優のラパスが鼻に穴を開けたのだとしたら、個人的にはどうかと思うが、良し悪しの判定はそれぞれが映画館で。すべて観終わったあとには第2部「火と戯れる女」の予告。

ユウ・ミサト

   オススメ度:☆☆☆

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