「メダルは堅い」理由
こうした3年の努力は09年3月の世界選手権で花開く。日本人初の優勝を飾ったのだ。順風満帆かに見えた。が、オリンピックへの助走ともいえる12月からのW杯で思わぬ苦境に立たされる。初戦こそ2位だったが、2戦目予選落ち、3戦目14位。ストレスの増す成績だ。ターンの採点傾向が変わったことが響いたらしい。昨シーズンまで重視されていたカービングターンの配分が低下し、ほかの要素と均等になったのである。
「審判の目を意識するあまり自分の滑りを見失っていた」(ナレーション)ようだ。
4戦目、上村はある決断を下す。カービングターンを得意とする男子選手が高得点を出すコースを選択したのだ。結果は持ち前のスピードが戻って2位。納得できる滑りで手応えをつかんだという。
スタジオゲストの三浦豪太(長野五輪モーグル代表)は「一時的な迷いがあったかもしれないけど自信を取り戻したかのように見える。技術では世界トップレベルにあるので、(コースの)上から下まで自分の滑りが出来ればメダルは堅い」と結んだ。
番組では触れていないが、上村と09年6月結婚したアルペンスキーの皆川賢太郎もバンクーバー五輪に出場する。2人とも好成績を収めるよう祈りたい。
アレマ
* NHKクローズアップ現代(2010年2月4日放送)