<テレビウォッチ>冒頭から1時間以上にわたって「朝青龍」大特集を組む。スタジオ陣が引退会見をどう受けとめたか、品格問題などを扱ったが、「電撃引退」ドキュメントが興味深かった。
解雇VS出場停止
立花裕人リポーターがスポーツ紙を引用しながら説明したところでは――横綱審議委員会の鶴田委員長が武蔵川理事長に、横審の総意が引退勧告で固まっていると伝え、理事会の開始にあたって理事長がその旨、明らかにした。
途中、朝青龍が呼び込まれ、彼は「殴っていない」と話す。これに外部理事が激しく反発、解雇処分を主張したらしい。理事会の意見も解雇、出場停止の2つに割れた。投票で決めようとなり、最初6対6だったのが、再投票で解雇7に。そこで、九重ら3人の理事が、朝青龍に「このままだと解雇処分だ。そうなれば横綱として史上初の解雇になるぞ」と、強く引退を迫ったとされる。
「皮肉な人事」
赤江珠緒が「花道をつくったということか」と水を向けると、やくみつる(漫画家、相撲協会外部委員)は「解雇という最悪の事態を避けたギリギリの温情。外部理事を招聘したのが大きかった。外部理事を登用することに、当初、私は疑問を抱いていたが、こういう形で機能するとは想定していなかった。まさか身内の処分に外部理事の方がこれほど大きく拘わることになるとは。皮肉な人事だった」とコメント。
二宮清純(スポーツジャーナリスト)は、「これまでの大甘処分を見ていると出場停止でお茶を濁すかと思っていた。世論に抗えなくなって、押しだされた感じだ」と述べた。
「稀代のヒール」が見られなくなるかと思うと、ちょっとさびしい気がする。