改良には着手
番組で聞いたドライバーの体験した『違和感』とは……
「平坦の道でゆっくり走っていてブレーキを踏んでも、思うように止まらない。このくらいで止まるかなと思っていたのに後ろから押されている感じがする」
『新型プリウス』のブレーキの仕組みは、普通車は油圧ブレーキで制御しているが、ハイブリッド車の場合は油圧ブレーキと回生ブレーキの2つを使ってコンピューターで制御している。
回生ブレーキを使うのは、ドライバーが制動をかける力で、モーターによってエネルギーを蓄積し、省エネ効果だすためという。
ところが、低速時にブレーキをかけると、回生ブレーキから油圧ブレーキに切り替わる瞬間に1秒未満のタイムラグが生る。
そのタイムラグが、ドライバーの効き具合の期待値にズレがあり、効かないと思ってしまうのだという。
ただトヨタでは、1月から設計を見直し、このタイムラグを短くする改良に着手している。
小倉は「感覚のズレを強調するなら改良しなくてもいいんじゃないですか?」と。
これに笠井が「そこなんですよ~、トヨタは許される範囲と思っていたが、客の声があれば改善する。品質を高めることで、苦情隠しではないと」。
こうしたトヨタの強調について笠井は「アメリカでリコール問題が発生し、簡単に謝らない方がいいという高度な経営判断があるのかもしれません」と推測している。
しかし、桜美林大大学院教授の諸星裕は「ブレーキは1番大事なところ。普段慣れている感覚と違った感覚が出てくるのは、どう考えてもお客のほうが正しい」と。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト