<テレビウォッチ>民主党の小沢幹事長の資金管理団体の収支報告書の虚偽記載は、秘書3人は起訴されたものの、幹事長本人は不起訴となった。東京地検特捜部は、「嫌疑不十分」といった。直接関与の証拠がとれなかったのだと。
「なんで手をつけたの」
小沢幹事長はきのう(2月4日)の会見で、「公正な捜査の結果だと思っている。不正な金をもらったことは一切ない。(秘書の)監督責任はわたしにある」といったが、幹事長については、続投すると答えた。
これで早くも民主党内の小沢派は、勢いづいているというのだから、バカな話。特捜がこれまでに、これでもかと流し続けた小沢金脈の情報は、国民に深く浸透している。その町の声で、「不起訴だったら、なんではじめから手をつけたのか」というのがあった。
元特捜検事の若狭勝が、嫌疑不十分の意味を「証拠のカベに負けた。共犯として起訴するに十分なものが得られなかった」と解説する。
みのもんたが「ではどんなことなら十分なのか?」 若狭は「あうんの呼吸では弱い」 みの「金額が20億でも、あうんではダメ?」 若狭「この件ではこれ以上は無理だが、金額では悪質。そちらで何かつかんでいれば……」と可能性をいう。
「虚偽記載は重大犯罪」
与良正男は、「虚偽記載があたかも形式犯のようにいわれているが、だれからもらってどう使ったかを公表するというのが報告書。選挙で判断するもとになるものだから、これにウソを書くのは重大な犯罪だ。民主主義の根本にかかわる」といった。その通りだ。
それでなくても小沢幹事長は、「日本改造計画」(1993年)以来、政治改革の旗を振り続けてきた。その趣旨は、政治資金の透明性を高め、国民の監視を強めることだった。今回の件で、いってることとやってることが正反対だと、わかったわけだ。検察のリーク効果である。
そこから浮かび上がったいちばんの疑問は、なぜ不動産を取得する必要があるのかだ。それ自体は合法かもしれないが、金額がでかすぎる。政治的・道義的なイメージはグレー。そんな人物が主導して参院選を乗り切れるのか? 話はまだ、第2幕があるとみていい。