朝青龍の引退にみる 人気と「やんちゃ」と強さ

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<テレビウォッチ> ついに引退した横綱朝青龍。いろいろいっていても、いざそうなってみると思うことは多い。品格なんてわからねぇ。「強さ」と「やんちゃ」と「愛嬌」と、それが人気の秘密だった。こんな横綱はもう出ないことは確かだ。

「事実上の解雇」

   朝青龍と高砂親方は、2月4日の相撲協会理事会で、「引退」を伝えた。が、5日のスポーツ紙は、「協会が解雇を迫った結果」「事実上の解雇だった」と内幕を書いた。最後の計算だったろう。横綱解雇となれば前代未聞。過去の栄光も退職金もなくなる。

   会見に臨んだ朝青龍はさばさばしてみえた。神妙に「本日をもって引退します。ご迷惑をおかけしました」と述べ、質問にも淡々と答えた。が、「いちばん嬉しかったことは?」と聞かれて、感極まった。「両親の前で、横綱武蔵丸を破ったときだった」と涙をぬぐった。

   こうもいった。「本当に何もない国モンゴルの大草原の少年を、横綱にまでしてくれたことに感謝してます」。最後は明るくカメラに手を振った。

   力では群を抜いていた。16歳でスカウトされ、明徳義塾へ入学。3年で大相撲入り。2001年の初土俵から2年で幕内。25場所での横綱昇進は史上最速記録だった。先の初場所で歴代3位となる25回の優勝。この間05年には年間6場所全制覇もやった。

親方・協会の責任は?

   一方で、度重なる「厳重注意」。怪我の治療に帰っていたモンゴルで、サッカーに出ていたことがわかり、前代未聞の2場所出場停止。しかし、復帰したとたんに優勝。そこでのガッツポーズでまた、厳重注意……。

   だから、人気だったのだ。やんちゃでワルで、ここぞというときに勝つ。現代的だったのだ。自身も「思ってもいなかった」といったが、こんな形での引退を惜しむ声は多い。まだ29歳だ。

   避けられなかったのか。与良正男が、「親方や協会の責任はどうなんだ?」といった。ここだろう。若貴時代のあとを、1人で横綱を張っていた朝青龍に文句をつける人はいなかった。

   杉山邦博は、「彼のキャラクターなら、いろんなところで生かされるでしょう」

   みのもんたが、「横綱、スタジオに来て。あとゆっくり飲みましょう」(笑い)

   あらためて「横綱の品格」とは何かを考える。はたしてそんなものが、現代の若者を引きつけるだろうか。すでに幕内上位は、外国人力士が占めているのだから……。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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