<テレビウォッチ>貴乃花親方を理事に選んだ相撲協会の理事選挙で、貴乃花に投票したと、立浪一門から安治川親方が名乗り出た。しかし「迷惑をかけたから」と、廃業するのだという。いわば捨て身の造反だった。
「けじめを」と廃業
安治川親方は元前頭「光法」。伊勢が浜部屋の現役関取安美錦から年寄り株を借りて、宮城野部屋つきの親方として後進の指導にあたっていた。
親方は「角界を変えてほしかった。貴乃花親方を尊敬していた。自分の気持ちに素直に1票を投じた。後悔はしていない。反省はしているが」といった。
だれにも相談せず、結果が出た後で貴乃花親方には「8票目になればと投票した」と、退職する旨も伝えたという。退職するのは、「一門の和というものがあり、株をかしてくれた親方に迷惑をかけたから、けじめを」と。
立浪一門で落選した大島親方には頭を下げたが、親方は「気にしなくていいから」と言ったという。安治川親方は「いまはすがすがしい気持ちです」と話した。
みのもんたが、「辞めざるを得ませんか?」
中沢潔は、「良心に従って投票し人が初めて出た。しかも、自分から名乗り出て、変化が欲しいからというのだから、喝采ものだが、それが相撲界から出て行かなくてはならないとは悲劇ですね」と嘆く。が、これが相撲界の現実だ。
「犯人」詮索やめてほしい
きのう(2月2日)立浪一門は緊急の一門会を開いて、だれが造反したかを調べた。聞き取りの後、桐山親方は「心当たりの方は一門から出て行ってください」といった。一門からはあと1票が、また二所ノ関から1票が動いている。
既にスポーツ紙には、名前までが出ているが、中澤は「(詮索は)やめてほしい」という。「これから変わっていこうというときですから」
貴乃花を後方支援していた元横綱大鵬は、すでに4年前から貴乃花が理事に意欲をみせていたと明らかにした。「待て待てと抑えてきた」のだという。当選しても、「大変だと思いますよ。票が足らないんだから。だから、(本人に)一生懸命にやらないといけないと言った」。
前途は決して平坦ではないようだ。新理事会の最初の試金石は、横綱朝青龍問題だ。まずは2月4日の理事会がどうなるか、調査委員会の結果は10日に出る。