(C)『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3』製作委員会
<秘密結社鷹の爪THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jpは永遠に~>心優しい総統率いる悪の秘密結社鷹の爪団。団員たちは、リフレッシュ休暇でそれぞれの実家に帰省していた。
ところが休暇が終わり麹町の基地に戻ると、何者かに基地が荒らされていた。そして天才博士のレオナルドは、実家からいつまでたっても戻ってこない。実は博士、オバマならぬオババ大統領の「核兵器の放棄」発言により起こった、大きな騒動に巻き込まれていたのだ。
「熊」博士出生の秘密が!
博士を探しに、団員たちは博士の実家、テキサスへ向かうが……。テレビシリーズが深夜に放送され、その後一部のファンの間で爆発的人気を得たフラッシュアニメーションの劇場版第3弾。制作は蛙男商会ことFROGMAN。監督・脚本・キャラクターデザイン・声の出演まですべてを手掛ける。
とにかくナンセンスギャグ満載の映画である。シリーズではお馴染の総統をはじめとする個性豊かでダメダメな鷹の爪団の面々も相変わらず笑わせてくれた。島根県出身の戦闘主任・吉田君にいたっては、冒頭から島根に帰省するはずが、なぜか日本列島から島根県が消えてしまっていたために、お隣の鳥取県に行ってしまう。鳥取の観光名所を一通り巡り、鳥取を満喫して帰ってきた吉田は「島根一の鳥取ボーイになります」と言ってしまう始末。
今回の作品では見た目は可愛らしい熊だが、熊と言われると闘争本能むき出しで人を襲うレオナルド博士の出生の秘密が明らかになる。また、秘密結社鷹の爪の映画は常に予算との戦いであるため、毎回スクリーンの右横に予算メーターが付いており、劇中で予算が使われるとメーターが下がる。そのためどのシーンでどれだけ予算がかかったか一目瞭然。
「予算メーター」がピンチだ
中でも「BALLAD名もなき恋のうた」の山崎貴監督率いる白組による3DCG最終兵器「博士の動く城」の美しい映像が登場するや否や、メーターがすごい勢いで下がり、予算がなくなるので総統の絵が雑になってしまうことも。
ちなみに劇中でスポンサーのCMを流すと予算メーターが上がる。そのため突然キャラクターが不用意にCMのキャッチコピーをしゃべり出すこともある。また主題歌に、スーザン・ボイルの「夢やぶれて」を起用している。「夢やぶれて」という曲名が、鷹の爪団にぴったりとくる。
最後に全体を通していうと、笑えるが、やはり若干のネタ切れのようなものを感じる。島根県ネタを使い過ぎている点や、クライマックスに向かうまでの件が大体前作と同じなのが挙げられる。ただ総統の「誰もが幸せに暮らすことのできる世界をつくる」という信念には、いつも胸を打たれる。総統は、ちゃんと大切なメッセージも観客に伝えたいのだ。そんな彼ら鷹の爪団を「悪」の秘密結社というのは少しおかしな気もする。
PEKO
オススメ度:☆☆☆