<テレビウォッチ> 整腸薬や胃腸薬、疲労回復薬のCMを見ると、つくづく思う。
どれもこれも、日本人って、ちょっと頑張りすぎなんだろうなと。
頑張らないことは悪だと叩き込まれ、誰もがとにかく頑張る。だが、頑張ればいいってもんではない。頑張った結果、物事がうまくいくケースは大人になればなるほど少なくなるような気もする。しかしストレスだけは増加の一途をたどるという、ありがたくない結果を出してくれる。
靴磨きと…
そして世の中は、そんなストレスを発散するためのビジネスで成り立っていたりもする。スポーツ、旅行、ショッピング、エステ、飲食、エンターテインメント……どれもそれがなくても生きてはいけるが、ストレスを消費するにはうってつけのものばかりである。
先日もまさにストレス解消を謳ったビジネス展開をしている店を取材したばかりだ。皿割が出来る店と飴で作ったビール瓶割が出来る店で、1度はやってみたかったストレス発散法ということで、どちらも盛況なようだ。ホントにどこにビジネスの基が転がっているかわからないものだ。
ちなみに、私の場合は『靴磨き』と『シンク磨きや床拭きなどの掃除』という、なんとも地味でお金を使わないもの。イヤなことがあったり、仕事でプレッシャーを感じたりしている時に限って、このささやかな幸せをやりたくなるのだ。そして1度始め出すと、時間を忘れて没頭してしまう。靴磨きにいたっては、靴クリームの匂いと皮革製品の感触が大好きで、5~6足は磨き続けてしまう。取材で靴磨き専門店を訪れたこともあり、教えてもらった通りに革靴を水でぬらし、クリームを素手で付け手の脂で仕上げていく瞬間は鳥肌モノだ。
そしてピカピカになった靴を前に、玄関で深夜1人缶ビールをちびちびやりながら悦に入るのだ。当然仕事に取りかかる時間はどんどん遅くなり、早朝に血相を変えてPCに向かうこととなる。
子供のように夢中に!
しかしいかんせん、お尻に火が付いて燃えてから仕事に取りかかる性格は改めないといけない。日頃からそう強く思っていたのだが、以前にもチラと書いた成毛眞氏の著書「大人げない大人になれ!」を読んで以来、改心することをやめてしまった。
そこには、どんなことでも夢中になれるものを止めることはない、率先して行えと書かれてあったのだ。そのほかにも、紙面には「我慢するな」「努力するな」の文字が踊り、頑張りすぎな日本人には刺激的な1冊となっている。ちなみにこの本と出会ったのも、著者が出演していたラジオのインタビュー番組を、靴磨きをしながら偶然聞いており、番組中にアマゾンで購入したものだ。
人生において重要なのは、子供のように夢中になること。本の帯にはこう書かれている。「好きなことを好きなようにやれば成果は最大でストレスはゼロになる!」はたしてストレスがゼロになるかは半信半疑だが、ストレスから薬に手を伸ばす前に試してみる価値は大いにあるだろう。
誰だって、ストレスとは無縁な楽しい人生を送りたいものだ。そのヒントは意外にも一見無駄に思えることに隠されているのかもしれない。
モジョっこ