<テレビウォッチ>『正社員斬り』が業種を問わず広がっているという。
それも、突然「明日から来なくていいよ」と通告され、社員証やIDカードを取り上げるロックアウト型という乱暴な手口の首切りだという。その実態を番組が追った。
ロックアウト型
番組にゲスト出演した経済評論家の内橋克人は「このままだと、永遠なるリストラ。業績が上がっている間にリストラ、悪くなればいうまでもなくリストラ」が続くと危惧するのだが……
まずは、ロックアウト型と呼ばれる乱暴な首切りの実態から。
「有給休暇があるから明日から来なくていい」。長年製造業関連の会社に正社員として勤めていた女性。昨2009年8月突然、会社から解雇通告を受けた。
その1か月後、自宅に整理解雇の通知が送られてきたという。一方的に退職を求めるロックアウト型だった。
会社の違法なやり方に憤慨した女性は労組に相談し、解雇の撤回と復職を求め会社と交渉に入った。
しかし、一向に埒があかない会社の姿勢に生活の不安を感じた女性は、解雇から4か月後の昨年暮れ、金銭和解に応じることにした。
番組は、女性が勤めていた会社に取材を申し入れたが、「イメージが損なわれるので取材には応じられない」と断られている。
一方、解雇のマニュアルを作り、短期間に大量の正社員を退職に追い込む外資系企業もある。
そのマニュアルには、成績が良くない社員のリスト作成→退職アプローチのための対象者抽出(並行して、退職対象者への面談トレーニング)→面談実行→退職者の意思確認といった手順が書かれていた。
面談を行った管理職は「これもノルマで、実現できなければ逆に自分に責任が及んでくる」という。