<テレビウォッチ> 野党・自民党が『小鳩』めぐる『政治とカネ』の問題を激しく追及するなか、藪をつついて蛇を出す一幕が……
「拙劣なる議論」
1月25日の予算委員会。質問に立った町村信孝・元官房長官が八ッ場ダム問題に触れ「なんで民意を問うことなしに八ッ場ダムをやめたのか。こういう公共事業こそ民意を問うべきなんです……」と。
質問途中にもかかわらず、手を挙げ立ち上がった前原誠司国交相が堪った鬱憤を晴らすかのように一気にまくし立てた。
「さっきから話を聞いていましたけど、ここまで財政赤字を膨らませてバラマキの公共事業をやってきたのはどの政党ですか。どの政権ですか。ダムだって2890つくり、空港も97つくり、コンテナの港も65つくり、維持管理だけで大変ですよ。どうするんですか? これだけ借金つくって、箱モノつくって。自分たちのツケを放っておいて、今の政権に物を言うのをやめていただきたい」
これに町村は「何かあれば全部前政権のせいだというのは拙劣なる議論ですね。そういうやり方はまことによろしくない」と答えたのがやっと。
みの「町村さんの負け」
スタジオではキャスター・みのが「町村さんの負け。言われてもしょうがない」。呼応してスポーツプロデューサーの三屋裕子が「言いたい気持ちは分かります。前の日に八ッ場ダムの住民からガンガン言われて来て……これどこが作ったのかと思っていたんじゃないですか」。
しかし、TBS解説室長の杉尾秀哉は「それを言うと責任転嫁みたいになり、建設的な意見でない。政権交代のたびにそういう議論ばかり繰り返すことになる」と、町村擁護を。
1年後も前政権のツケ云々を言うならともかく、まだ4か月。つけの支払いが残り生々しいだけに、下手な質問に怒るのも当然……。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト