<テレビウォッチ>町でカメラが聞く。「国家公安委員会って知ってますか?」。答えは「知らないです」「政治の?」「ごめんなさい。わかんない」
警察組織のトップ
公安委員会は、国務大臣の委員長のもとに、企業経営者、大学教授など国民を代表する委員5人からなり、総理大臣が国会の同意をえて任命。委員会は警察組織を監督する。毎週木曜日、警察庁幹部から報告を聞いて審議している。
地方にも同様に、都道府県に知事の任命による公安委員会があり、国家公安委員会はそれらも事実上管理しているから、29万人の警察組織のトップだ。
政権交代で、事業仕分けとかが大いに話題になる中で、いま国家公安委員会で、目立たないが重要な改革が進んでいる。「スパモニ」は、早い時期からこれを追っていたという。
いまの国家公安委員長は中井洽衆院議員。野党時代に、警察の不祥事やウラ金問題をはげしく追及してきた人だ。「警察も従来と全く違うことをいう男が来たわけですから、戸惑いも抵抗もあったでしょう」
中井委員長の改革の原点は、かつて追及した事例。2004年に北海道警・元釧路方面本部長が、また05年には、愛媛県警の巡査部長が裏金問題を内部告発した。
とくに現職巡査部長は告発後、仕事のないポストに配転になり、机に向かってただ座って「松山城をながめて」いる日々になった。中井委員長はこれで当時の公安委員長をはげしく追及した。「これはイジメですよ。それを公安委員長が『普通の異動です』とぬけぬけと国会で答える。これでは公安委員会の役割をはたしていない」と。
鳥越「盲腸以下」
赤江珠緒が、「この問題はスパモニも取り上げましたね」
その委員長になった中井議員は、さっそく改革に手を付けた。これまで警察庁長官がやっていた委員会の会見を、委員長自身が行い、長官は陪席とした。カメラ撮影も認めた。また、委員に51年ぶりに労働界から高木剛・前連合会長を任命した。従来は警察庁が案を出していた。
中井委員長は「都道府県でも警察本部が名簿を知事に出している。これも政治主導に」という。さらに、委員会事務局の独立を目指している。いま、15人の警察官が事務をおこなっているが、警察を監督する以上、独立が不可欠だというのだが、各都道府県の反応はいまひとつだという。法改正も準備中だ。しかし「副大臣も政務官もおらず、政治家はぼくしかいない」と中井委員長。
民間人が警察を管理するというのは、占領下に持ち込まれたアメリカ方式の名残で、教育委員会などもそうだった。その後どれも形骸化して委員は名誉職的なものになっている。しかし、国家公安委員の報酬は、年額2300-2400万円だ。
鳥越俊太郎は、「地味に中井さん1人でやっているが、意外に進んでいると思う。公安委員会なんて有名無実化して盲腸以下だったんですよ」
吉永みち子「政治主導で独立はいいが、政治と結びつくと困る」
松尾貴史も、「政治からも独立しないと」
小木逸平「中井さんは、内部告発は自ら対応するといっています」