<テレビウォッチ>小沢幹事長の資金管理団体問題などで、あらためて注目を浴びる東京地検特捜部。そこで番組は元東京地検特捜部長の熊崎勝彦を招き、検察(東京地検特捜部)に関する疑問を解説してもらった。
そのなかで、熊崎がとりわけ熱心に、ほとんど色をなして答えたように見えたのは「検察リーク」だった。出所がはっきりしない捜査情報が新聞等に飛びかい、それで世論が誘導されたりしてないか、といった懸念についてである。
熊崎によれば、それはメディアによる熱心な取材活動の賜物、あるいは過熱する熾烈な報道合戦の産物ということになる。メディアはいろんな所に根を張っている。取り調べを受けた人、その周辺、あるいは弁護士などに聞く。それで心証を形成し、たとえば「こうではないですか」と検事にあたる。そこで、相手の反応、「んー」などという一瞬のためらいを見て、また心証を得て記事を書いたりする。
「(検事が)自分から喋って、情報操作をして、世論を盛り上げて、なんてことはありえない。捜査は証拠と疑いに基づいて、淡々とやらざるをえない。それしかない」(熊崎)
その勢いに気押されたか、ウラ追及主義者で司会者の小倉智昭すらろくに口を挟まず、スタジオは検察(OB)による広報活動の場と化していた。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト