(C)2009 Twentieth Century Fox
<アバター>舞台は地球から遠く離れた神秘の星パンドラ。この星に眠る貴重な鉱物を求め、人間たちは開発を進めていた。しかしナビィと呼ばれる先住民たちの激しい反撃を受ける。そこで生まれたのが、ナビィと人間のDNAを結合させ、まるで自分の体のようにナビィの体をコントロールすることができる、アバタープログラムだった。
半身不随の元兵士、ジェイクは、ナビィたちに取り入って、パンドラの情報を収集する。しかし次第に彼は、ナビィたちの自然を愛する姿勢や、美しく勇敢な女性戦士ネイティリに心を惹かれていく……。ジェームズ・キャメロン監督が14年の構想と、4年の製作期間を経て世に送り出す新時代スペクタル映画だ。
圧巻の戦闘シーン
流石ジェームズ・キャメロンの映画と言っていい、最新CG技術を駆使したパンドラの自然や動物の映像美は圧巻。構想に14年かけた緻密な設定が、ありえない空想世界に自然と観客を引き込む。自然を愛するナビィと強欲ゆえに貴重な鉱物を求め、平穏に暮らしたい先住民を制圧していく人間を描くことにより「自然とは何か、人間の欲深さ」という壮大なテーマが浮かび上がってくる。
そこでは、宮崎駿監督の「もののけ姫」に近いものを感じた。「人類」と「ナビィ」大きなふたつの勢力が対立しているのだが主要なキャラクターはそう多くない。それゆえに、各々の登場人物のインパクトが強くそれぞれの欲望を象徴しているようだ。
また、この作品は主人公ジェイクとネイティリとのラブストリーでもある。当初、ナビィという肌の青い人間に近い生物にはたして感情移入できるのかと疑問に思っていたが、思いのほかナビィは美しくて、物語途中からホントに実在するのではないかと思えるほどに自然に見ることが出来る。
物語終盤の戦闘シーンは、息を飲む暇もないほどの臨場感で描かれている。人間は文明を駆使した戦闘機を使い、ナビィは原始的な弓矢やナイフ、そして自然と共に闘う。ここまでスケールのでかい戦闘シーンは映画史上なかっただろう。
すばらしい映像美とスケールの大きさ、その迫力を体験したいのならぜひスクリーンで見るべき大作と言えるだろう。
PEKO
オススメ度:☆☆☆☆