「くそババア!」の千代大海 孝行息子に変わったワケ

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テレビウォッチ>「正直いって土俵に上がるのが怖くなった。スッキリけじめをつけ悔いはないです」。元大関の千代大海が1月13日、土俵に別れを告げた。

   大関在位歴代1位の65場所、カド番も歴代最多の14場所。番組がその『ツッパリ人生』を取り上げた。

   「忘れられないね、あれは。ひと言でいうとやんちゃ。ああいうのがこんなになっちゃうんですから。やっぱり指導がよかったんじゃないの……」

   13日の引退会見に同席した師匠の九重親方が笑いながらこう語った。

   その千代大海が大分市で生まれたのが34年前の4月。小学生時代はやんちゃで通し、中学に入るとケンカで明け暮れるツッパリの日々。同級生によると「とにかく悪かった。10対1でも独りで向かっていった」。

   泣かされたのは両親。母親は「学校の規則を破るのはしばしば。何度も呼び出されて苦労しました」。父親も「おかげさまで刑事さんとお友達になりました」というほど。

   そのツッパリを変えたのは母親の次のひと言だった。「何のために育ててきたのか……このまま一緒に死のう」。

   で、本人もようやく「親孝行しよう」と一念発起、九重部屋に入門した。16歳で初土俵。以来、ぶちかまして突っ張る押し相撲を続けた17年だった。

   スタジオのみのが、中学時代のツッパリ写真を見ながら「結構カッコいい頭ですよね~」と。電話で繋がった母親が「やめなさいといっても、毛抜きで抜いてました」。

   また、みのが「何か親孝行しました?」に、母親は「『クソ婆、死ね!』とか言っていたのが、『長生きしてオレの孫の顔を見るまで死ぬなよ』と言ってくれるのが嬉しい」と。

   そして初場所3日目。4歳上のライバル魁皇との対戦で魁皇の『送り投げ』に敗れた。

   本人は「1日何十回もVTRを見まして、あんな負け方は見たことない。ここは引退するところかな……」と決意したという。

   引退会見で記者から「ツッパリ少年に何かメッセージを」と求められた千代大海は照れながら……

   「そんなにツッパッてないですけど……自分が入門する時、親孝行という目標があった。ひとつ目標があれば人生変わることを経験として伝えたい」。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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