<テレビウォッチ> ともにテレビから出て政治家になった橋下・大阪府知事と福島・消費者担当相(社民党党首)が、テレビカメラの前ではげしく渡り合った。例の「悪質な訪問販売お断り」(大阪府)のシール問題だ。
12月1日施行の「改正特定商取引法」は、訪問販売で拒否の意思を示した消費者に対する業者の勧誘を禁止したが、自治体が作っているシールは、「訪問拒否の意思表示には当たらない」と国は判断した。
福島「特商法に基づく法律の適用はないんですよ」
橋下「いやー、それはどっちの味方なんですか、大臣」
福島「それは消費者の味方ですよ」
橋下「訪問販売業者の味方ですよ」
福島「違う違う」と立ち上がって、ステッカーを取り上げる。
橋下「これ貼らないと、おじいちゃん、おばあちゃん、知的に障害のある方は、業者と会ってしまったら、もう対応できないんですって」
福島「わかりますよ。だから、このシールを貼っていれば……」
橋下「特商法の適用にしてくださいよ」
福島「いや違う。特商法の適用にするためには、あなた法律家でしょ。法律改正しないとだめですよ」
橋下「悪徳弁護士の代表といわれてたボクがですよ、人権派の弁護士といわれていたあなたと入れ替わっちゃった」
福島「そんなことないですよ。これは有効でやってくださいって……」
問題は、「拒否の意思表示」だ。顔を合わせても断固として「ダメ」といえる人はいいが、いえない人は顔を合わせたらつけ込まれる。また、業者はそれが狙いだから、ステッカーは顔を合わせないですむ最良の手段だと、これが橋下知事の言い分。
一方福島大臣は、ステッカーでは「どの業者なのかがあいまい」で、善良な業者の「営業の自由を阻害する」恐れもあると、これも筋としては正しい。が、ではどうしたらいいかとなると、「業者名を書くか、直接会って断るしかない」と小木逸平。
大沢孝征は、「橋下さんの味方になりたいなぁ。というのは、会っちゃうと、そこからがプロなんですよ。どんなようにもされちゃう。だから会わせたくない。橋下さんは実態からいってる。消費者の保護を考えると、ステッカーの有効性は認めるべき」
赤江珠緒は「自分たちは悪質じゃないと思ってる人たちからは……」
大沢「いや、そういうことではなく、訪問業者には会いたくないという意思表示とみればいい」
若一光司は、「訪問販売は『一切お断り』というのを法的に認められるようにすればいい」
大沢「プロは一般の人を籠絡するのは簡単だから、プロの方に厳しくしようというところから出ている。だから会わせないというのを認めないと保護はできない」
鳥越俊太郎は「狙われるのは、おじいさん、おばあさんなんだから、認めるべきだ」
そう、実態に合わせて法律を整えるのは、法律家の仕事ですよ。福島さん。