「妊婦ヌード」ブーム 「新」勝ち組の「勝利宣言」か

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   <テレビウォッチ>都内高級住宅街のマンションの一室で、最近話題のある撮影が行われている。

「キレーイ!」「すごくイイ!」「そう、ちょっと強い目線で挑発的なカンジで」

   スタッフの女性が、キャーキャー言いながら1人の女性にポーズを付けている。

撮影に同行

   そんな状況の中、私も取材に同行したタレントさんと一緒に「カワイイ!」

   「すごくキレイ!」と連呼しながら、しげしげとモデルの女性を見つめている。女性だらけで撮影しているもの、それは臨月になる妊婦さんのヌード撮影。

   「妊婦ヌード」は初夏に歌手のhitomiが臨月ヌードを披露してから、数多くの芸能人妊婦がその見事に大きくなったおなかを披露し、ついには一般女性にまでそのブームが広がっている。そこでなぜ一般の妊婦まで脱ぎだしたのか、その謎を取材すべくマタニティーフォト専門スタジオにお邪魔したのだ。

   取材させていただいたのは、来年1月初出産を迎えるという39歳の女性。一般女性のヌード撮影ということで、緊張の絶頂かと思いきや……ニコニコとスタッフの説明を受け、30分後には、身動きするのも大変な大きなおなかをさすりながらあっさりとフルヌード撮影へ。スタッフの指示に応じ次々にポーズをとる妊婦さんに、取材に同行した女性タレントさんと私のほうがドキマギだ!  しかし、なんと美しいのだろう……新たな命を宿している神秘性というよりも、ただただその大きなおなかをした肉体美に感嘆した。

   思えば、妊婦の全裸をしげしげと見ることは少ない。弟か妹を妊娠していた時の母をたとえ思い出すことができたとしても、その全裸を見たことがあり記憶している人はいるだろうか? 出産間近の姉や友人に全裸までは見せてもらわないだろう。そう思うと、女性も自分が妊娠しない限り、大きく膨れ上がったお腹と体を見ることはめったにないのだ。自分の体も同じように変化することができるのだと思うと、不思議な気持ちになりそして感慨深い。取材させていただいた妊婦さんも、最初で最後かもしれない臨月姿を残しておきたい、母になる喜びを出産前に残せるとしてヌード撮影を決めたという。

女は脱ぎたがる

   そうなのだ。妊婦ヌードは新たな「勝ち組」の象徴でもあるのだ。婚活レースにあえぐ女たちを横目に結婚。そして産活にはげむ女たちに優しく手をふり、臨月を迎えた女たちの勝利の証が、妊婦ヌードなのだ。撮影中も妊婦さんは笑顔に満ち溢れ幸せそのものといった雰囲気が漂っていた。

   スタジオスタッフに聞いたところ、妊婦ヌードを撮る女性は初産が多く、自分の身に起こった奇跡の瞬間を撮影したいと希望するという。さらに20代後半から30代前半までは「体が変化しているワタシの美しい瞬間を残したい」と『女性』としての面が強く、30代後半から40代では長い不妊治療の末の出産の方も多く「生まれてくる命と一緒にいる母としての瞬間を残したい」という『母親』の面が強い傾向があるそうだ。

   そう、女は脱ぎたがる。

   女性の特権であるこの美しいからだの瞬間を残しておきたい。からだを最も美しく残すためにはヌードが1番だという気持ち、わかるわかる。

   取材前、「自己満足の極みすぎて気持ちが悪い」「男としては見たくない姿だ」という猛烈な反応を受け、そして「何もそこまでやらなくても。心境がわからない」と20歳の息子を持つ女性からも渋い反応をされたが、出産経験がない女性からは、ヌードを撮ってみたい気持ちがわかり自分も撮りたくなってくる。

   結婚式出席後、結婚したい病にかかるが、この妊婦ヌード撮影に立ち会うと、妊婦ヌード撮ってもらいたい症候群になるほど引き込まれる魅力があった。

モジョっこ

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