「派遣村村民」の1年後 「役立たず」の国の支援とは

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見えないカベ

   一方、政府が進める再就職のための職業訓練も、現実には訓練の機会がなかなか得られないうえ、実際の就職には役に立たない、パソコンの基礎を学ぶようなコースが多く『見えないカベ』になっている。

   国谷は「どうしたらもう1度職を見つける生活ができるのか。何が求められているのでしょうか?」と。

   番組にゲスト出演した政府の雇用戦略会議委員を務める北大大学院の宮本太郎教授は次のように答えた。

   「見えないカベを打ち破るトランポリン型社会がつくられなければいけない。何らかの形で社会とつながり、頑張り続けられるバネのような役割。ひとつは、職業訓練、職業紹介の機能ですが、日本でそれに使われる費用は先進国平均の4分の1くらい。非常に少ない。ふたつ目は、同一賃金、同一価値労働、均等待遇が重要です。3つ目は、ハネ戻っても仕事がなければならない。政府も進めていますが、介護とか農業など地域に密着した、地域を守る雇用の創造です」

   この3つの雇用対策は以前から言われながら思うようには進んでいない。根本的には景気浮揚し経済を成長させることが必要なのだが……

   現状は「景気対策は金額の多寡より知恵」(菅直人副首相)と言いながら、その知恵が一向に見えてこない。

モンブラン

* NHKクローズアップ現代(2009年12月16日放送)
文   モンブラン
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