<テレビウォッチ>民主党の小沢幹事長が、「全国民の要望です」と内閣に突きつけた『重要要望』。番組が「波紋を呼んでいる」と取り上げた。
思うように削減できなかった仕分け作業で財源不足に陥っている来2010年度予算編成。加えて、一向に知恵が出てこないデフレ不況対策。
見かねた小沢幹事長が、局面打開に『救いの手』を差し伸べたのだろう。
『重要要望』を見ると、財源不足に対しては「ガソリンの暫定税率は現在水準を維持」と「子ども手当には所得制限」。デフレ不況対策には「整備新幹線の早期開業」と「高速道路整備の推進」が盛り込まれている。
この要望通り実現されると「コンクリートから人へ」というマニフェストに掲げた理念から逆行、「コンクリート」への先祖返り。
内閣がこの要望をどう処理するかは釈明ばかりで不明だが、国民から「何だこれ?」と批判が出るのもやむを得ない。
ただし、定石とはいえない小沢幹事長の一手で、行き詰っていた局面が開けるのも確かだ。
スタジオでは、北川正恭元三重県知事が「マニフェストはパッケージで政策を考えていることなので、どこかを取り出すと問題が出てくる。所得制限の導入はグルグル回りしておかしくなる」と要望に反論を。
そういえばマニフェストでは暫定税率廃止の理由に社会の低コスト化(需要喚起)をあげていたが、維持となるとマニフェストの作り直しが……
そこで与良正男(毎日新聞論説委員)が吠えた。
「何でこういう事態になったか。財源不足からだが、小沢さんが助け舟を出したのはそこなんですよ。ムダを省く作業で努力したのかと言いたい」
しかし、北川は「ムダを省くのはもう限界ですよ。むしろ予算の組み替えです。原点に戻って欲しい」と。
そういえば予算を組み替える仕事が役割だった国家戦略室だか局は忘却の彼方。一体どうなったのか。そもそも、そこからおかしくなったか……