<テレビウォッチ>思ったほどムダを削減できなかった『事業仕分け」作業で、マニフェストの財源をどこから捻出するか手詰まり状態に陥っている鳩山政権。
嫌われ役を買って出て救いの手を差し伸べたのか、あるいは存在感を誇示したのか……小沢幹事長が政策の決定に乗り出してきた。
小沢幹事長が鳩山首相に手渡した来2010年度予算への重点項目が書かれた要望書。民主党公約の目玉だったガソリン税などの暫定税率の廃止や子ども手当の一律支給など根幹部分を改変する内容だ。
岸井成格(毎日新聞特別編集委員)が生出演し番組が取り上げた。この重点要望は、自治体や業界団体から寄せられた2800件の陳情を踏まえ、党がまとめた18項目。子ども手当には所得制限の導入、暫定税率は維持を求めている。
小沢幹事長は「党というよりも全国民の要望でございますので……」と申し入れたのに対し、鳩山首相も「党のご要望、ご意見というよりも国民の思いだと、その通りだと思います」と、まるで口裏を合わせたよう。
子ども手当への所得制限はともかく、ガソリン税などの暫定税率の維持は『公約違反』と反発を招く可能性も……
スタジオでは、キャスターのみのが体を45度の曲げ、「(鳩山首相は)『ヘーイ』という感じですね」と揶揄しながら、「どう影響が出てくるんですか? 今の内閣に……」と。
これに岸井は「すべて要望を受け入れざるを得ないのではないですか。もちろん(鳩山首相は)予想の範囲内というかもしれないし、政策決定の内閣一元化を崩したわけではなく、要望を受けただけという立場でしょうが……」
さらに、岸井は「マニフェストから大分後退しているが、この中身は明らかに参院選対策。参院選を勝利するにはどうするかを考えなさいよ、よくわかって欲しい、我々はそれを突きつけていますよ、の意味だ」という。
嶌信彦(ジャーナリスト)も「予算を決める時期だから当たり前の話だが、今回はある種の圧力をかけてやっているところが違いますね」と訝る。
さて、この公約違反、マニフェストとの整合性を鳩山首相はどう決着をつけるのか……