<テレビウォッチ>きょう(12月14日)来日する中国の習近平副主席の天皇会見が、宮内庁のルールを破って設定されたというので、官邸が政治的に動いたと批判されている。羽毛田宮内庁長官も異例の会見(11日)で苦言を呈した。
天皇との会見を設定するには、「1か月前までに申し込む」ということになっている。天皇の健康を考えての措置だ。しかし、今回の習副主席の日程が決まるのが遅かった。そこで、駐日大使館が小沢幹事長らに働きかけ、宮内庁が押し切られたということらしい。
習副主席は、次の主席候補の筆頭で、鳩山首相も会見設定を指示したことについて、「ことの重要性から両立できるようにと指示した。杓子定規で本当の親善になるのか」という。
また、天皇会見は国の大小にかかわりなく平等に扱うのが原則だが、「中国だから」という官邸からの強い要請に、宮内庁は不満をもらす。「象徴天皇のあり方にもかかわる」と、これはいささか大げさだ。
小池政行が、「天皇に会いたいという希望は多いから、この調整には平等が原則。アメリカ大統領でもアイスランド首相でも同じ。今回これを破ることになったわけで、宮内庁はもっと強く出てもよかった」
三反園訓は、「官邸ははじめ『1か月ルール』を知らなかったらしい」
鳥越俊太郎も、「ボクも知らなかった。みな知らないでしょう。しかし、時代は動いているし、苦しい判断だったのだろう。ただ、小沢さんのカゲがちらついたのはいただけない」
三反園は「小沢さんの訪中とリンクしていたと思う。小沢さんの狙いは『電撃訪朝』。その実現には中国の協力が必要だ。今回の会見設定で、中国は感謝してるだろう」という。となると、相当に政治的な動きとなる。
小池も「中国側としても、次の主席になる人だから。普通は外務省へ行くのに小沢さんのところへ行ってる」
マスコミも「天皇の政治利用」には反対の大合唱だが、そもそも象徴天皇制を理解しろといっても無理というもの。外国の目からは、天皇はいぜんとして「元首」なのだ。
天皇の健康を配慮してというのなら、そちらからきちっと答えを出せば、誰も文句はいうまい。機械的に「1か月」というからおかしくなる。