子供には難しい? いや大人も子供も笑いと涙(カールじいさんの空飛ぶ家)

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WALT DISNEY PICTURES/PIXAR ANIMATION STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
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<カールじいさんの空飛ぶ家>都市開発が進む住宅地に、ポツリと残された家に暮らす老人、カール・フレドリクセン。彼は幼い頃、その家で最愛の妻エリーと出会い、幸せに年を重ねた。しかし、エリーは病に倒れ亡くなる。

   都市開発の波は、とうとうカールの思い出の家にも押し寄せる。そしてカールは、エリーと果せなかった夢を叶えるため、予想もつかない行動にでる。それは家にたくさんの風船をつけ、家ごと冒険の旅へと飛び立つというものだった! ディズニー・ピクサー共同制作作品。記念すべき10作目にして初めて人間を主人公とする、ファンタジーアニメーションを手がけた。

本当に大切なこと

   おそらくこの作品はディズニー・ピクサー共同制作映画史上、最も感動的な物語だ。冒頭、カールとエリーが古びた空き家で出会う回想シーン。やがてエリーとカールは結婚すると、空き家を自らの手で改装し、そこに住む。エリーはたくさんの子供を産む夢をカールに語るが、エリーには子供ができなかった。

   悲しみにくれるエリーを、いつか冒険の旅に出ようと励ますカール。2人は慎ましくも幸せに年をとる。そしてエリーは天国へと旅立つ。ここまでのシーンにカールのセリフはあまり登場しない。優しい音楽と映像がテンポよく2人の人生を刻む。思い出の詰まった家と旅にでる本編のストーリーはこの後に展開するのだが、そこに行くまでにもうかなり映画としての完成度に満足してしまう。

   いよいよカールが家とともに飛び立つとき。たくさんの色とりどりの風船が、青い空に舞った。その美しい光景は観客の心を奪ったに違いない。また、カールじいさんと偶然にも一緒に旅をすることになった少年、ラッセルの存在がカールの運命を大きく変えることになる。冒険の途中、何匹ものしゃべる犬も登場するので、犬好きの人にもたまらないかもしれない。物語の終盤、本当に大切なことは気がつかなかっただけで、ずっと身近に存在したのだと、カールは気がつく。その後の彼の、勇気ある、そしてとても切ない選択も見ものだ。

   映画館には、幼い子供たちが大勢この作品を見に来ていた。子供たちは静かに、そして笑うところでは大笑いし、感動の場面では涙した。ストーリーがまだ理解できない子供もいたかもしれない、けれどみなスクリーンに釘づけになって映画を見ていた。幼い子供から大人まで夢中になって見られる映画。年の終わりに、今年最高の1本に出会えて嬉しい。<テレビウォッチ>

PEKO

   オススメ度:☆☆☆☆☆

日本ジャーナリスト専門学校プロフィール

日本ジャーナリスト専門学校
通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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