2009「大洗にも星はふるなり」製作委員会
<大洗にも星はふるなり>クリスマス・イヴの茨城県・大洗。真冬の海の家に集められた5人の男たち。彼らは一夏を海の家で過ごしたバイト仲間。集まった理由はただひとつ。
同じバイト仲間で、彼らのマドンナ的存在だった・江里子からの1通の手紙。内容は「クリスマス・イヴの夜、海の家で会いたい」というもの。自分こそが江里子の本命だと名乗りだす、おバカな男子たち。そこへ遅れてきたバイト仲間と弁護士まで加わり、計7人のおかしな夜が始まる! 主演は山田孝之、山本裕典ほか。監督は「33分探偵」の福田雄一。
イケメン山田が勘違いストーカーに
最初から最後まで、舞台である大洗の海の家から場面はほとんど変わらず。江里子との思い出の回想シーンのみで場面が切り替わる。だからまるでひとつのお笑いの舞台を見ているような錯覚におちいった。それにしても、個性豊かな7人の俳優が強力なキャラクターを演じて見せた。
特に山田孝之演じる杉本と、佐藤二朗演じるマスターには、笑わされっぱなしであった。本来は正統派ハンサムである山田。しかし劇中、杉本になった瞬間、ただの勘違い変態ストーカーに姿を変える。自分の正体が暴かれていき、最終的に江里子の家で待ち伏せ、郵便物受けにお菓子を入れるなど、自分のストーキング行為が判明。登場時、タキシードに花束をもってさっそうと登場したにも関わらず、物語中盤からなぜかランニング1枚の姿になり、束ねた長髪は乱れてぐしゃぐしゃ、さらに髭まで伸びはじめるという始末。言動も意味不明に。
マスターは最初からそのしゃべり方に癖があると思ってはいたが、「秘密をすぐにばらす」とうい新たな癖が発覚。このマスターの癖のせいで、物語の終盤、会場は笑いの絶頂を迎える。
一体誰が江里子の本命なのか。そんなことより、7人が江里子に抱く想いと、はちゃめちゃなストーリーで、結論はどうでもいいような気がしてしまう。エスカレートする男たちの想いがこの上ない笑いになるのは、彼らがいたって本気で、純粋だからなのかもしれない。<テレビウォッチ>
PEKO
オススメ度:☆☆☆