「失業者は甘えすぎ」 「人手不足」社長の怒り

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<テレビウォッチ>昨2008年の年末、ある場所が全国から注目を集めた。

   東京・日比谷公園の「年越し派遣村」だ。6日間で500人以上が集まり、炊き出しなどが連日報道されていた。

   あれから、1年。

次々辞めていく正社員

   政府は支援策をスタートさせたが失業率は依然厳しい状況が続いている。09年10月末時点で、完全失業者数は344万人を超えるという。この状態はいつまで続くのか?

   ある地方の中小企業の社長さんに話を聴く機会があったので質問してみた。すると、失業者増加からもうひとつの日本の姿が見えてくるような気がした。

   清掃業を営む社長は、派遣切りにあった人たちに向かって、こう言いたいという。

「派遣村に行かないで、社員寮の設備があるウチに来てどうぞ働いてください!」と。

   社長はある問題を抱えていた。それは働き手が少なく事業を拡大できないというジレンマ。そこで、絶えず求人広告を出しているのだが面接の際に絶句するという。履歴書を見ると、職歴が10個ぐらいズラズラ並べてあるケースが多いそうだ。

   面接をしたところ、集まってきたのは派遣でいくつもの会社を渡り歩いてきた人が多かった。終身雇用が崩れて久しいが、履歴書にずらずらと並ぶ職歴を見ると、やはりまだ昔人間なのか理解に苦しむよ、と話す社長。そう思いながらも、定員の10倍応募があった中から絞り込んで採用。ようやく人手が確保できたかと思ったのもつかの間、物事はそれほどスムーズにはいかなかったという。

   なんと正社員採用した人達が、次々に辞めていくのだ。「体調が悪い」、「仕事が合わない」など様々な理由で、結局誰1人として会社に残らなかった。

「働かざるもの食うべからず」

   この経験から、社長は日本人に見切りをつけたくなったと話す。

「失業者は甘えすぎだよ!昔は働かざるもの食うべからずで、働かなくちゃ生きていけなかったのに、今は働かなくてもいろいろと助けてもらえるからね」

と、かなり熱っぽくまくし立てる社長。昔々と言い過ぎていると自覚していても、どうしても言いたい! 働きたいなら、ウチに来てよ! と。しかし雇用してもすぐに辞めてしまう人々。理解に苦しみながらも社長はこの状態がいつまで続くのか、についてこう答えてくれた。

「もうさ、今の日本は違う国みたいな感じになっちゃったよね。価値観が全くちがうもの。日本人をあてにするのはイヤになっちゃうよね」

   その結果、取り組んだのが外国人の雇用。アジア諸国に飛び、現地で採用してから日本で研修させるシステムをとっている。しかしここにも数々の壁があり、政府の外国人研修制度期間内では、やっと技術を覚えた頃に外国人研修生は帰国せざるを得ないのだ。さらに語学研修など企業負担も多くなる。社長としては、研修制度が必要ない日本人を雇用したいというのが本音だ。最後に社長はこう言った。「いつから日本人は、継続は力なりを嫌うようになったんだろう。日本人に期待したいと思う日は来るのかな」と。

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