「働かざるもの食うべからず」
この経験から、社長は日本人に見切りをつけたくなったと話す。
「失業者は甘えすぎだよ!昔は働かざるもの食うべからずで、働かなくちゃ生きていけなかったのに、今は働かなくてもいろいろと助けてもらえるからね」
と、かなり熱っぽくまくし立てる社長。昔々と言い過ぎていると自覚していても、どうしても言いたい! 働きたいなら、ウチに来てよ! と。しかし雇用してもすぐに辞めてしまう人々。理解に苦しみながらも社長はこの状態がいつまで続くのか、についてこう答えてくれた。
「もうさ、今の日本は違う国みたいな感じになっちゃったよね。価値観が全くちがうもの。日本人をあてにするのはイヤになっちゃうよね」
その結果、取り組んだのが外国人の雇用。アジア諸国に飛び、現地で採用してから日本で研修させるシステムをとっている。しかしここにも数々の壁があり、政府の外国人研修制度期間内では、やっと技術を覚えた頃に外国人研修生は帰国せざるを得ないのだ。さらに語学研修など企業負担も多くなる。社長としては、研修制度が必要ない日本人を雇用したいというのが本音だ。最後に社長はこう言った。「いつから日本人は、継続は力なりを嫌うようになったんだろう。日本人に期待したいと思う日は来るのかな」と。