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<PUSH 光と闇の能力者>第2次大戦中にナチスは兵器として超能力者を開発した。そしていまなお世界中で多数の「能力者」が存在する。その超能力者を取り仕切っているのが「ディビジョン」という組織だ――。
主人公のニック(クリス・エバンス)は念力を使い、物を自在に動かすことのできる能力者で、父親も同様の力を持っていた。しかし父はディビジョンに殺され、ニックは香港で逃亡生活を送っていた。自分の能力を生かし、賭け事をして勝負しようとするが、うまくいかない毎日。そんな時に1人の少女、キャシー(ダコタ・ファニング)が現れる。彼女は予知の能力を持ち、キラという女性を探すようニックに頼んできたのだ。
他人を支配する能力
物語には様々な能力者が登場する。ニックは物体を遠隔操作できる念力タイプ、キャシーは未来予知能力、そしてディビジョンのボス、ガ-バー(ジャイモン・フンスー)とニックの恋人であるキラ(カミーラ・ベル)は「プッシュ」という、記憶を押し込み意思を操作できる能力だ。ディビジョンは研究所から逃げ出したキラを捕らえるために躍起になるのだが、彼女が恋人のニックと再会することで、ニックとキャシーの仲間となる。ディビジョンは逃げたキラに自分たちが開発したドラッグを打ち、他人を支配する彼女の能力を利用し世界征服できると企んでいた。
そこに香港を拠点にするマフィアも加わり、キャシーと因縁のある予知能力者が現れ、三つ巴の関係が出来上がる。だが「ニックとキャシー」「ディビジョン」「香港マフィア」はそれぞれ強力な力を持つがゆえに互いを牽制しあう展開になる。先読みの展開が続くため、フラストレーションが溜まるが最終決戦ではアクションが爆発する
この映画のタイトルの「PUSH」はガーバーとキラの能力「プッシュ」から来ており、ストーリーに重要な意味を持つ。記憶を押し込み、他人を変えてしまう力は人間の心そのものを支配する非情なもので、優しさは一切与えられない。途中ガーバーはキラをも操作し、ニックと共有した時間すらも嘘だと思わせる。しかし、そこで超能力ですら支配できない男女の麗しい恋愛模様が描かれるのだ。王道万歳!<テレビウォッチ>
ユウ・ミサト
オススメ度:☆☆☆