「恋」<「愛」<「惚れる」
と、こうなる。がしかし、辞書で調べてみると―
「愛」は、かわいがる。いつくしむ。大切にする。とあり、
「惚れる」は、放心状態になる。特に、それだけに夢中になり、他のことを忘れ去る。人物などに感心して心をひかれる。
「恋」は、異性に愛情を寄せること、その心。本来は(異性に限らず)その対象にどうしようもないほどひきつけられ、しかも、満たされず苦しくつらい気持ちを言う。「恋はたのし~」のような言い方は、1910年代ごろからのもの
―と明記されている。
つまり、本来は
「愛」<「惚れる」<「恋」
と、現在のイメージとは全く違っていることが分かる。なぜ、時代を経てこうもイメージが変化したのか? この疑問をおずおずと氏に後日話してみたところ、
「惚れるっていうのも、自分がダメになってもともとぐらい能動的な行為だよ。そして一方的に思っていても成立するほどの強烈な片思いだと思う」と。
これまた重い……
謎は解けなかったが、氏がどれほど強い思いで作品に携わっていたのかだけは再度わかることになった。
「惚れる」
私たちはどれだけ「惚れて」仕事に取り組んでいるのだろうか? 1年を省みる際、「惚れる」をキーワードに思い返してみると、ブルブルっと背筋が震え、寒さは季節のせいだけではないと気づかされた。
モジョっこ