<テレビウォッチ> 英国人語学講師の死体遺棄容疑で逮捕された市橋達也容疑者が、1年2か月を過ごした大阪の建設会社の寮を、大村正樹が訪ねた。衣類や身の回り品はそのまま。これらから、彼の生活を読み解くと……
部屋はすでに警察が捜索し、ここで指紋も検出されているが、会社はいまもそのままの状態にしていた。目につくのは衣類の多さだ。Tシャツが10枚以上、上着も数着、レザーベストまでがずらり。なかには高級ブランドものもある。帽子が2つ、スニーカー……。部屋はちらかったままで、戻ってくる気だったことがうかがえる。
大村が聞く。「西成で現れたときは何ももってなかったのが、日々の稼ぎからこれだけ揃えた?」「そうです。身だしなみを気にする方で、珍しいほどのがんばり屋だった」と同僚はいう。
そしてスキンケア用品――日焼け止め、肌荒れ用医薬品は4000円もする、コラーゲンは5000円くらい。手鏡が2つ。もともと自分の容姿を気にする姿は、公開された映像でも知られていた。
それと、「殺人勤務医」(大石圭)というホラー小説の表紙カバーだけがあった。中身は持ち歩いていたのか。この小説は冒頭、殺人を重ねる産婦人科医が、女性を監禁して絶食させ、その目の前で自分は食べ、女性が5日で「ギリギリの状態に達する」シーンがあるという。
また、クリアファイルの中に「彫刻の写真」があったが、これは直木賞受賞作「悼む人」の表紙を切り取ったものだった。この小説は、ある若者が、死亡記事をもとにあちこちの死者を訪ねるという話だ。彫刻は鼻筋が通っていて、鼻の整形をした市橋のヒントにでもなったのか。
小倉智昭は、「逃亡中にも関わらず身だしなみには気をつかっていた。いまはまだ断食を続けている。何の主張なんでしょうね」
諸星裕は、「もしかして、けりを付ける、自分で命を絶つことも考えられるかもしれない。シャツなんかは変装の延長上だと思う」
その取り調べが不当だと、弁護団かきのう(11月19日)会見した。「このまま黙秘をつづければ、極刑もありうる」「両親が死刑だ」「姉に取材がいったのは、お前がしゃべらないからだ」などと言われたのだという。
また、栄養剤の補給で元気が回復したといわれるが、本人はきのう栄養剤を拒否したという。これも含めて、弁護団は「黙秘権の侵害だ」というのだが……本人はどんな夢をみているのか。