<テレビウォッチ>「こんな言葉をご存知でしょうか。『派遣僧侶』」と、赤江珠緒キャスター。なんと、いまや僧侶もハケンの時代だというのだからオドロキだ。
カメラは「グランド・レリジオン」なる僧侶専門の派遣会社へ。その一角で開かれた朝のミーティングには、法衣姿のお坊さんが大集合。ペンとノートと持って、「ご指名で、11時、1時、3時も」などと指令を受ける。この映像はなかなかの見物だった。
この会社には230人の僧侶が登録。派遣件数はうなぎ登りで、最近では月間500件に達したという。「お布施が明確で定額」(同社社長)で、業界内では割安なのが人気の理由らしい。たとえば法事は3万5000円~、通夜・葬儀は15万~30万円など。
で、どんな僧侶が登録してるのか。檀家が減ってしまって、収入がない住職。寺の人間関係になじめずに寺を離れていた人。住職になれなかった寺の次男、三男もいるそうだ。番組の取材に、ハケン僧侶たちは「やりがいがある。ご縁がある限り、続けたい」「自分一人では限界がある。お仕事をいただいて、それに対して一生懸命やらせてもらう」などと話していた。
昨今は「ハケン」の待遇が社会問題となっているが、このハケンに限ってはそう満更でもないようだ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト