<テレビウォッチ>いま1番面白いニュースは、行政刷新会議の事業仕分け作業だ。予算の査定をすべて公開でやるのだから、ある意味で革命。国民の目にはまさに刷新と映るが、従来型の人たちはついていけない。
麻生前首相は、「公開処刑とはいわないけれど……国会議員がやってるんならともかく(仕分け人は)何の資格でやってるのか」。削られた官僚は「復活させる」という。
テレビのなによりの強みは、仕分け人と省庁担当者とのナマのやり取りが見えること。「そこまで国が関わる必要があるのか」「自治体にゆだねるのが妥当」などと、個々のやりとりはわかりやすい。
しかし、逆にテレビは全体像に弱い。「4事業25億円が廃止」といっても、個々の展開は無理。たとえば、きのう重点的にとりあげられた公益法人の基金、いわゆる埋蔵金。6000億円の返納が求められたが、その全容は新聞の方がわかりやすい。
ところがそのひとつ、300億円の返納とされた「こども未来財団」の中身で、笠井信輔が絵解きをした。「職員の数23人に対して、役員が16人」「エーッ?」。さらに、役員の給与で、「天下り理事長1635万7000円、専務理事1461万円、常務理事1226万円」「……絶句」
笠井は「えっ、この財団の規模でこの金額? 高―いという話になった」。さらに、月に1回出している「こども未来」という30ページの冊子が、年間 5100万円。「リクルートからみると、考えられない」。小笹芳央が「ありえない」と笑う。
ほかにも予算縮減、地方への移管の例などを示して、さらに「会場へいくと、事業仕分けの資料がもらえます」と、議論の土台となっている冊子を見せた。「へぇー」
会場には若い人の姿も多く、カメラは早稲田の学生を追ったが、彼もその冊子を手にして議論を聞いていた。まあ、こんなことが現実になるなんて、だれが想像できたろう。
佐々木秀実が、「ネットでも見られるし、私なんかにもわかりやすい」
小倉智昭「民間に較べると、あまりにも緩いですよね」
小笹は、「面白いですね。無駄遣いをなくすためにこれだけオープンにというのは。こんな事業にこんなに? とか。しかし、仕分けは3000事業の一部でしょ。マニフェストに書かれていたものも、是非仕分けの対象にしてほしい」
地味なネタだが、多分視聴率は高いはず。政治もよくわかるようになる。